出版書誌データベース

西洋古典学研究の一歩がここにある
専門的な思考へと導く論集
本書は1994年度から2019年度のあいだ、東京都立大学に勤められた大芝先生の退職を記念して編纂された論文集であり、本書の執筆者は東京都立大学で西洋古典学の研究や教育にたずさわった者で構成されている。
ラテン文学のみならず、ギリシア文学や哲学が論文の主題となっており、対象とする時代も古代から現代に至っている。

はじめに
大芝芳弘先生の略年譜
大芝芳弘先生の業績一覧
大芝芳弘先生の研究業績説明
略号表
序
―第Ⅰ部　西洋古典学の基礎づけ―
第１章　エポードスとエポーディー

―第Ⅱ部　叙事詩―
第２章　『イーリアス』第12巻におけるアカイア勢の防璧をめぐる戦い
―「ゼウス計画」とヘクトールの武功―
第３章　物語の連続性と語り手の技巧
―オウィディウス『変身物語』第10巻86-209行―
第４章　ウェルギリウス『アエネーイス』とフェルデケ『エネアスロマーン』におけるアンナ

―第Ⅲ部　抒情詩・エレゲィア詩―
第５章　隣友にして守護者
―ピンダロス『ビューティア第8歌』58-60行―
第６章　プロペルティウスのアッポロ詣で
―プロペルティウス第2巻第31歌―
第７章　プロペルティウス第3巻の詩作構想
―第9,　11歌を中心に―

―第Ⅳ部　ギリシア悲劇―
第８章　イーオーとプロメーテウスの邂逅
―『縛られたプロメーテウス』におけるイーオー像をめぐって―
第９章　エウリーピデース『ヘレネー』と『ヘーラクレース』における帰還と歌舞

―第Ⅴ部　哲学―
第10章　哲学と文学の対話
―プラトンの『政治家』篇のミュートス（268d5-274e3）
第11章　アリストテレスのファンタシアー概念と虚偽の現われ
第12章　ギリシア哲学の東漸と越境
―最果てのヘラスを巡って―
第13章　ムーサの霊感と表現の構造
　
―第Ⅵ部　修辞学―
第14章　キケロ―『ブルートゥス』における実演actioの批評と, 後代におけるその利用について―
人名年表
人名・事項索引
原典箇所索引

編著：浜本　裕美
九州大学言語文化研究員准教授

編著：河島　思朗
京都大学大学院文学研究科准教授