いま読む! 名著
「働く喜び」の喪失
ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読み直す
著:荒川 敏彦
紙版
内容紹介
マックス・ヴェーバーは、20世紀初頭に刊行された『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』において、近代資本主義が西欧で勃興しはじめようとする16、17世紀の市民の生き方に目を向け、資本主義社会の問題を「生活態度」という視点から捉え直した。本書籍は、混迷を極める世界情勢の中、「不安に駆り立てられながら働きつづける」近代人の精神を、【天職・予定・確証】という3つの連動して作用する鍵概念と重ね合わせることを試みる。ベルーフの訳語として用いられる「天職」という日本語は、元々の儒教的含意から明治期日本での変容を経て、「生きがい」という意味にまで解釈が拡大した。「予定説」と「確証思想」の作用は、現代社会における孤独化、排他性、自己コントロールや監視社会といった問題にまで広げることができる。このような思考を、現代社会に対する「鏡」として使うことで、私たちが埋め込まれている労働中心主義の陥穽が見えてくる。
ISBN:9784768410202
。出版社:現代書館
。判型:4-6
。ページ数:240ページ
。定価:2200円(本体)
。発行年月日:2020年07月
。発売日:2020年07月16日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA。