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マルクス経済学

著:大西 広

紙版

内容紹介

“現代に生きる”マルクス経済学。

資本主義が抱える問題を最も鋭利に洞察した思想家・マルクスの経済理論を、平易かつ明快に解説した新スタンダードテキスト。
現代経済学の中にマルクス経済学を位置付け直すことで、今日の経済現象を把握し、諸課題に取り組むための有効な思考・分析枠組みとして再構成する。

▶『資本論』第2巻、第3巻に対応する内容を解説する1章を新たに追加したほか、著者が3年間の講義で使う間に見出した改善点、ピケティを含めた学会の動向の反映など、解説の改良や追加を大幅に行った第2版が刊行されました。

目次

はしがき

第1章 マルクスの人間論=唯物論としての人間・自然・生産関係
 I 土台としての生産活動
 II 上部構造の唯物論的理解
 III 土台が上部構造を規定するとはどういうことか

第2章 商品生産社会としての資本主義
     ――資本主義的生産力の量的性格、自己増殖する価値としての資本
 I 商品生産が一般化する条件としての生産力
 II 生産物と商品――具体化された唯物論的人間観としての商品交換
 III 商品としての貨幣――具体化された唯物論的人間観としての貨幣目的
 IV 自己増殖する貨幣としての資本――具体化された企業の生産目的としての貨幣増殖

第3章 工業社会としての資本主義――資本主義的生産力の質、労働指揮権としての資本
 I 「労働指揮権」としての資本
 II 剰余価値の量的変動
 III 非工業部門における「産業革命」と資本主義化

第4章 資本主義の発展と死滅――蓄積論
 I 資本主義の生成・発展・死滅を説明するモデル――マルクス派最適成長モデル
 II 蓄積捨象の場合の再生産条件――単純再生産
 III 剰余価値の資本への転化――拡大再生産
 IV 資本主義的蓄積の一般的傾向――資本主義的蓄積の終焉
 V 原始的蓄積と国家資本主義

第5章 資本主義的生産に先行する諸形態
 I 迂回生産システムの飛躍的発展としての農業革命
 II 手工業における前封建制社会と封建制社会
 III サルが人間になるについての狩猟の役割

補論1 マルクス派最適成長論の分権的市場モデル
補論2 階級関係を組み込んだマルクス派最適成長モデルとその含意
補論3 牛耕の導入と普及による農家経営規模格差の変動モデル
数学付録 動学的最適化問題の解法について

著者略歴

著:大西 広
慶應義塾大学経済学部教授。
1956年京都府生まれ。1980年京都大学経済学部卒業、85年同大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学、89年経済学博士(京都大学)。立命館大学助教授を経て、1991年京都大学経済学部助教授、1998年より同教授。2012年4月より現職。
主要業績に、『「政策科学」と統計的認識論』(昭和堂、1989年)、『資本主義以前の「社会主義」と資本主義後の社会主義』(大月書店、1992年)、『環太平洋諸国の興亡と相互依存』(京都大学学術出版会、1998年)他。

ISBN:9784766419153
出版社:慶應義塾大学出版会
判型:A5
ページ数:256ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2012年04月
発売日:2012年04月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA