ヒマラヤと聞けばゴツゴツとした氷や雪の白い山々、岩などを思い浮かべることでしょう。8,000メートルを超えるエベレストを代表に「世界の屋根」と言われ、地球上の最も高い山々が連なっているところです。その山々の中腹から麓にかけた3,000から5,000メートルに花々が美しく咲くところがあるのです。高山であるため空気も薄く、気候も厳しいので人はあまり訪れない世界で、中国、チベット、ブータン、ネパール、インドの山岳地帯です。18世紀から19世紀にかけて交通の発展に伴い英国をはじめフランス、アメリカなどの国々からプラントハンターたちが珍しい植物、花を探しにこの地域にやってきたのです。そこに咲く美しい花に「青いケシ属」があります。この青いケシの仲間は色も青、赤、白、黄色、紫と様々で、背の丈も10センチほどの小さなものから2メートルになるものもあります。種の数も70から80種ほどですが、これからの科学の発展により分類もAIの出番となり、種の数も増えていくことでしょう。現在、都会では珍しい花々が世界の各地より運ばれ、それぞれの園芸の力で花が咲き、公園の花壇で見られるようになりました。でも、ヒマラヤの厳しい環境に咲く植物を平地で育てることは大変難しいのです。この世界は青いケシをはじめ、まだまだ人知れず咲く高山の花が潜んでいるところなのです。未知の世界があり珍しい花の世界なのです。大自然に育てられた野生の美しさ、荒々しいたくましさ、また優しさは何を語っているのでしょうか。花は仮想の美しさではなく、生きる生命体そのものです。この地球の高山の麓で現在を生きる優しく美しい仲間たちなのです。旅で私が垣間見たその仲間たちの姿をお伝えしたいと思うのです。