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心理学ベーシック 1

なるほど! 心理学研究法

監・著:三浦 麻子

紙版

内容紹介

◆第1巻の特徴◆
鮮度の高い事例や普遍的なハウツーを盛り込みながら,どの研究法にも共通する基盤的知識を解説。研究倫理も手厚く扱う。実証に基づく科学としての心理学が「なるほど!」と理解できて,もっと研究したくなる入門書。

第1部では,心理学研究に着手する技能や技術を身につけるにあたって,最低限知っておきたい知識を解説。第2部では,心理学研究に必要な技能や技術についてのハウツーを述べる。効果量や検定力分析,ベイズ統計学の基本的考え方などについても鮮度高く解説。
第3部では,研究を「公表する」にあたって研究者が心がけるべき倫理について手厚く解説。仮説の後づけ(HARKing), p値ハッキング(p-hacking)など問題のある研究実践(QRPs)への警鐘をならし,モラル違反を抑止する策について述べる。

◆第1巻 主なもくじ◆
序章  心理学とは何か
―第1部 心理学を「研究する」ということ―
 第1章 心理学のなりたち:心理学史
 第2章 研究の準備:心理学研究の基礎知識
 第3章 研究の準備:先行研究の探し方
 
―第2部 心を「測定する」ということ―
 第4章 研究の基礎:研究法概説
 第5章 研究の基礎:人間を対象とする測定における諸問題
 第6章 データの中身を知る:記述統計
 第7章 データから対象を見通す:推測統計

―第3部 研究を「公表する」ということ―
 第8章 研究倫理:研究者として「なすべきこと」
 第9章 研究倫理:研究者として「やってはいけないこと」
 第10章 研究倫理:モラル違反を抑止するシステム
 第11章 研究成果の公表:心理学論文の書き方
終章  よりよい心理学研究のために

◆◆◆『心理学ベーシック』全5巻-シリーズ監修 三浦 麻子-◆◆◆
心のはたらきを科学的に見つめるまなざしを養い,「自らの手で研究すること」に力点をおいたシリーズ
第1巻 なるほど! 心理学研究法 三浦麻子 著
第2巻 なるほど! 心理学実験法 佐藤暢哉・小川洋和 著 
第3巻 なるほど! 心理学調査法 大竹恵子 編著 
第4巻 なるほど! 心理学観察法 佐藤 寛 編著 
第5巻 なるほど! 心理学面接法 米山直樹・佐藤 寛 編著

◆「心理学ベーシック」シリーズ刊行にあたって(一部抜粋)◆
「心理学を学ぶこと」をめぐる状況は,2015年に国家資格「公認心理師」の制度化が決まったことによって大きな岐路に立った。-略- しかしわれわれは,心理職としての現場での実践を有為なものとするためには,何よりもまず,心理学諸領域の基礎的な知見や理…

目次

「心理学ベーシック」シリーズ刊行にあたって
はしがき

序章  心理学とは何か
 1節 心理学の定義
 2節 心理学を研究することの難しさ
 3節 心理学を研究することの面白さ

―第1部 心理学を「研究する」ということ―
 第1章 心理学のなりたち:心理学史
  1節 心理学と哲学
  2節 心理学と医学
  3節 心理学と生物学
  4節 近代心理学の創始とその発展
  5節 第二次大戦後の心理学
  6節 日本の心理学

 第2章 研究の準備:心理学研究の基礎知識
  1節 概念的定義と操作的定義
  2節 信頼性と妥当性
  3節 相関と因果
  4節 さまざまな変数

 第3章 研究の準備:先行研究の探し方
  1節 リサーチ・クエスチョン
  2節 巨人の肩の上に立つということ
  3節 先行研究レビューの意義
  4節 先行研究の収集法:概論
  5節 心理学の研究論文に触れる
  6節 心理学の研究テーマを知る
  7節 さあ,歩きはじめよう

―第2部 心を「測定する」ということ―
 第4章 研究の基礎:研究法概説
  1節 実験法
  2節 調査法
  3節 観察法
  4節 面接法

 第5章 研究の基礎:人間を対象とする測定における諸問題
  1節 参加者効果
  2節 実験者効果
  3節 努力の最小限化
  4節 生態学的妥当性との両立

 第6章 データの中身を知る:記述統計
  1節 数値データの利点
  2節 尺度
  3節 記述統計

 第7章 データから対象を見通す:推測統計
  1節 推測統計とは
  2節 標本抽出に伴う結果の変動
  3節 統計的仮説検定
  4節 統計的仮説検定における2種類の誤り
  5節 効果量と検定力分析
  6節 ベイズ統計学の基本的考え方

―第3部 研究を「公表する」ということ―
 第8章 研究倫理:研究者として「なすべきこと」
  1節 エシックスの基本的な考え方
  2節 最小限のコストやリスク
  3節 説明責任
  4節 個人情報・データの保護
  5節 成文化されたエシックス
  6節 倫理審査

 第9章 研究倫理:研究者として「やってはいけないこと」
  1節 モラルとしての研究倫理
  2節 研究者が陥るかもしれない「地獄」
  3節 仮説の後づけ(HARKing)
  4節 p値ハッキング(p-hacking)
  5節 蔓延するQRPs

第10章 研究倫理:モラル違反を抑止するシステム
  1節 研究結果の再現可能性
  2節 心理学界で起こった問題
  3節 システムの整備
  4節 心理学研究の「パラダイムシフト」

第11章 研究成果の公表:心理学論文の書き方
  1節 論文のアウトライン
  2節 論文の文章表現
  3節 図表
  4節 全体的なチェック
[付録] 心理科学実験実習 レポート作成 チェックリスト

終章  よりよい心理学研究のために
 1節 「研究」するということ
 2節 よい研究とは何か
 3節 心理学研究への船出

引用文献/索 引

ISBN:9784762829666
出版社:北大路書房
判型:A5
ページ数:200ページ
価格:2200円(本体)
発行年月日:2017年05月
発売日:2017年05月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JM