はじめに
Prologue なぜ、障害がある子に運動を教えることが 難しいのか
1 運動が「苦手」「ぎこちない」とは どういう現象なのか?
実は、私たちは「ぎこちない」「美しい」を見抜く優れた目を持っている/「ぎこちなさ」を「美しさ」のギャップから探る/運動が「苦手」・「ぎこちない」子は何につまずいているのか?/公園での逆上がりのエピソード
Case 1 脳性麻痺・軽度知的障害を 有する岡田君―障害から運動そのものを諦めていた岡田君が、ジョギングで4㎞を走破するまで
1 筆者が特別支援学校に勤めることになった経緯
2 岡田君との出会いと障害
脳性麻痺について/知的障害について/岡田君の運動上の課題
3 運動は「無理」・「できない」と言う
4 岡田君の運動の「苦手」・「ぎこちない」を解消する作戦
5 筋力トレーニングから 転ばない姿勢をつくる!
姿勢が崩れているから転倒するのでは?/どうすれば姿勢が良くなる?/卒業しても筋力トレーニングが継続できるように作成した教具/筋力トレーニングを実践した自立活動の流れ/筋力トレーニングの実践と姿勢の変容
6 スポーツに向け、「動かし方」を往復走から学ぶ
なぜ往復走?/「ぎこちない」走り方・切り返し方/身体を動かす意識(イメージ)の科学/身体の動かし方①:「姿勢」を学ぶ/身体の動かし方②:「四肢の協調」を学ぶ/身体の動かし方③:「タイミング(リズム)」を学ぶ
7 往復走、自己記録156%の向上と それによる日常生活の変化
バスケットボールに挑戦しようとするモチベーションの高まり/初めて「鬼ごっこ」を楽しんだ日、スポーツへ参加・挑戦する自信の高まり
8 ジョギングで、自分の脚で、外を走るという夢
最初に走ることができた距離、たった70m/ジョギングを実践する岡田君の困難/ICT・IoT機器を活用した「ペース配分」と「フォーム」可視化と学習/ジョギングフォームの改善に向けた実践:「メガネ型ウェアラブル端末」をして1㎞を走るまで/ペース配分の改善に向けた実践:「心拍センサー」を活用して2㎞を走るまで/初めての校外ジョギングと3㎞、4㎞の走破/ジョギングを楽しむ活動に
9 岡田君の言葉から思う「特別支援教 育×スポーツ科学」の可能性
Case 2 軽度知的障害を有する川原君―スポーツスキル指導に配慮が必要な川原君が、 砲丸投げでインターハイを目指した挑戦
1 川原君との出会い
軽度知的障害がある砲丸投げの選手が入学してくる/川原君の第一印象/なぜ、「ぎこちない」初心者の投てきだと感じたのか? スポーツ科学者の目線
2 軽度知的障害を有する川原君のスキルを改善するコーチングの難しさ
スキルトレーニング開始! スキル理解に「比較図」を活用した取り組み/スキル指導の難しさを悟った日
3 僕は本当にダメだ……何度やってもダメなんだ!
初めての県大会で見た異変/県大会当日の緊張で「ぎこちなさ」が増幅される/「僕は本当にダメだ」川原君の涙と言葉
4 なぜ、軽度知的障害を有する生徒の スポーツ指導は難しいのか?
川原君の課題を紐解く/なぜスキルが改善しないのか? 学習フローから考える
5 スキルが継続的に学習できる合理的配慮
「忘れっぽさ」を防ぐ練習日誌を活用した作戦は有効⁉/対話しながら記入する日誌スタイルに変更/「電子練習日誌」を活用した合理的配慮から、脱「ぎこちない」へ/
6 今日は県大会で優勝する!
「ぎこちない」から「美しい」へ/秋の県大会、緊張に対する作戦/5度目の正直、県大会への挑戦
7 川原君から学んだ「特別支援教育× スポーツ科学」の可能性
Column1 ICT機器を活用した遠隔指導で 「ぎこちない」「苦手」を克服した二人
Case 3 「先輩を超えたい」、 軽度知的障害を有するやり投げ選手 中野君の夢と挑戦
1 僕にやり投げを教えてください!
中野君との出会いとワンポイントレッスン
2 高等部への進学とやり投げ指導のスタート
中野君の「ぎこちなさ」×野球で身につけた「ステレオタイプ」の課題/中野君が抱える「ぎこちない」×「ステレオタイプ」と学習フローのつまずき/「スキル手順書」による課題解決案/「スキル手順書」を活用した新しいスキルトレーニングの実践
3 やり投げにかけた特別支援学校生の挑戦
インターハイへの挑戦と過緊張の課題/パラアスリート・パラコーチとして参加した初めての大会と手応え
Column2 動きの浅い理解・深い理解とは
Epilogue 「特別支援教育×スポーツ科学」の実践を経て思うこと
1 はじめから彼・彼女らの限界を私たちが決めない大切さ
2 「特別支援教育」×「スポーツ科学」 の可能性