はじめに
序篇 蘭書の訳述
翻訳の文体と漢語の術語
1 翻訳の文体
2 術語としての漢語と訳語の採用順序
3 漢語への新しい意味賦与と新字の製作
4 漢語と蘭語の造語力
5 訳語に対する蘭学者の態度
6 意訳の功罪
三訳法の起源とその名称
1 浮屠氏訳法と『翻訳名義集』
2 蘭学者たちの三訳法の名称
おわりに
第一篇 天文学・暦学のことば
「地動説」ということば ―中山茂氏説続貂―
はじめに
1 「地動説」についての中山茂氏の指摘
2 本木良永の「コペルニクスの窮理」等と航海術
3 志筑忠雄の「地動の説」と陰陽説
4 吉雄南皐の「地動説」と西洋天文学
おわりに
「惑星」と「遊星」
はじめに
1 〈恒星〉の名称
2 〈惑星〉の名称1 ―「五星」・「五行」・「五歩」―
3 〈惑星〉の名称2 ―「五緯」・「緯星」―
4 〈惑星〉の名称3 ―「惑星」と「遊星」―
5 〈惑星〉の名称4 ―「行星」―
おわりに
黄道十二宮の星座名
はじめに
1 日本に伝わった西洋黄道十二宮
1―1 南蛮紅毛との交易から
1―2 イエズス会の教科書から
1―3 在華宣教師による漢訳書から
1―4 蘭書・蘭人から
2 蘭学書に見える十二宮漢名と現在の十二宮星座名の源流
おわりに
補説 曼荼羅の十二宮について
七曜日
はじめに
1 本木良永『星術本原太陽窮理了解新制天地二球用法記』
2 前野良沢『七曜直日考』
3 吉雄南皐『遠西観象図説』
4 蘭学者の説明に対する補足と考察
4―1 「命理占候の天学」と西洋の「星の占」の関係について
4―2 七曜値日の起源について
4―3 曜日の訳語について
4―4 七曜の時の順序について
4―5 一週の始まりについて
おわりに
第二篇 地理学・地学のことば
アジア州とヨーロッパ州 ―一州か二州か―
はじめに
1 諸書に記す世界の大州の数
2 メガラニカ州とオーストラリア州
3 五大州説への疑問
4 ヨーロッパ大州とアジア大州との区別
5 佐久間象山の「五世界」
「経・緯」―タテ・ヨコと方向―
はじめに
1 経・緯 ―東洋のタテ・ヨコと方向―
2 longitude・latitude ―西洋のタテ・ヨコと方角―
3 和蘭通詞の気づきと大槻玄沢の「経線・緯線」
4 在華宣教師の漢訳語「経線・緯線」「経度・緯度」
5 吉雄南皐の『遠西観象図説』の「経度・緯度」の説明
おわりに
本初子午線と東経三百六十度
はじめに
1 福島と東経三百六十度
2 世界経度と国内経度
3 ハリソンのクロノメーター
4 グリニッジ子午線と「東経・西経」
5 日付変更線
おわりに
「化石」の変質
1 牧野富太郎の「化石」川本幸民造語説
2 幸民以前の蘭書に見える「化石」
3 本草学等に見える「化石」
4 木内石亭と平賀源内の化石観
5 西洋地質学における「化石」
第三篇 物理学・化学のことば
青地林宗による時間語彙の創出
はじめに
1 西洋時間との出会い
2 時間と角度
3 「○分時」「○秒時」の成立
4 「○分時間」「○秒時間」の成立
5 「○時間」の成立
6 「時間」の成立(松井氏案)
7 「時間」の成立(私案)
おわりに
「ヱレキテル」から「電気」へ
1「ヱレキテル」から「電気」へ
2「魄力」という訳語
3「電気」という訳語
おわりに
七色の虹のはじまり
はじめに
1 陰陽五行説以前の虹
2 陰陽五行説の虹(二色と五色また単色の虹)
3 南蛮天文学の虹(三色の虹)
4 陰陽五行説と南蛮天文学の折衷説
5 プリズムを通した光の色の数(五色あるいは六色の虹)
6 ニュートン説による七色の虹
7 翻訳の問題
「元行」から「元素」へ
はじめに
1 「元素」の初出
2 Hoofdstof の訳語としての「元素」
3 「元行」を用いなかった理由
4 「実素」を用いなかった理理
5 「○素」以外の訳語
6 宇田川榕菴の先駆性
7 Element の訳語としての「元素」
8 Hoofdstof の造語成分の逐語訳としての「元素」
第四篇 植物学のことば
宇田川榕菴の植物部位名の特徴
はじめに
1 西洋近代植物学輸入以前の植物部位に関する和名
1―1 日本固有の植物部位名
1―2 本草学における植物部位名
2 西洋近代植物学訳述書における部位名
2―1 『植学啓原』の部位名
2―2 李善蘭等の『植物学』の部位名
2―3 『植学啓原』と『植物学』の部位名の比較
3 榕菴の生殖機関部位の訳語の特徴
おわりに
「鬚蕊・心蕊」から「雄蕊・雌蕊」へ
1 古典文学と本草学の蕊
2 Helmstijltje と Stampertje
3 「鬚蕊・心蕊」という訳語
4 「雄蕊・雌蕊」という訳語
5 「蕊・心蕊」「鬚蕊・心蕊」「雄蕊・雌蕊」
おわりに
「歳輪」(年輪)
1 板面に現れる模様をいう和語
2 木(もく)目(め)と木(もく)理(り)
3 本草学における「木理」
4 「歳輪」という造語
5 天文学の「歳輪」
6 「年輪」の成立
おわりに
「幹(みき)」と「茎(くき)」
はじめに
1 ミキ成立以前 ―クキ・カラ・モト―
1―1 クキ
1―2 カラ
1―3 モト
1―4 院政期から室町時代におけるクキ・カラ
2 ミキの成立
3 江戸時代におけるカラ・クキ・ミキ
3―1 木本と草本とを区別しないもの
3―2 木本と草本とを区別するもの
3―3 蘭学における区別の意味
4 中国植物学における「幹」と「茎」
おわりに
研究余滴
『泰西本草名疏』とシーボルト事件
「植物学」ということば
『植学独語』の「霊蚕」存疑
時刻を「○字」と書くこと
資料紹介
重山文庫所蔵伊藤圭介宛シーボルト書翰
重山文庫所蔵『泰西本草名疏』伊藤圭介自筆原稿
小川友忠著『西洋時辰儀定刻活測』翻刻
本書で用いた蘭学関係書使用テキスト一覧
初出一覧
あとがき