序章 なぜいま国際労働移動を問うのか[松下奈美子]
1.問題の所在
2.本書の構成
3.産業・担い手・時間
4.国際労働移動を問い直す意味
第Ⅰ部 国境を越えるということ
第1章 政治構造としての「1990年体制」――35年の軌跡[倉田良樹]
はじめに
1.「1990年体制」とは何か
2.「1990年体制」の35年――不変の政治構造
おわりに
第2章 移住労働者の階層的地位と移住システム[永吉希久子]
はじめに
1.移住労働者の階層的地位
2.移住労働者の階層的地位と技能レベル、移住システム
3.移住労働者の階層的地位の決定過程
4.移住システムの階層的地位との関連
おわりに
第3章 エリート戦略から生存戦略へ――ポストコロナ期における中国人留学生の日本選択[李敏]
はじめに
1.中国人留学生の移動と受入れをめぐる理論的・歴史的考察
2.送出し国(中国)の変容――プッシュ要因の先鋭化と海外学位の価値の減衰
3.第Ⅳ期におけるプッシュ――プル構造の根本的変容
おわりに
第4章 「高度人材」のレトリックと排除のコード――二つのねじれ:制度的開放と構造的閉鎖[松下奈美子]
はじめに
1.第一のねじれ――在留資格制度に表れたねじれ
2.「高度人材」レトリックによる受入れ構造の転換――「留学」と「技術」という二つの入口
3.高度人材レトリックの成立と政治的機能――正当化の不要化
4.第二のねじれ――社会構造上のねじれとしての資格と排除
おわりに――開かれた制度、閉ざされた構造
補論 戦前の日本は移民送出し国家であった[依光正哲]
1.送出しの要因
2.移民送出しの効果
3.移民の移住先での苦労
第Ⅱ部 働くということ
第5章 外国人労働者の移民としての定着がもたらす日本の労使関係の変容[今野晴貴]
はじめに
1.日本的雇用システムと移民労働の関係
2.新しい段階に入った「移民」問題
おわりに
第6章 排他的移動経路としての移住労働の制度化――「人材育成」言説と選別的包摂[宣元錫]
はじめに
1.問題の所在と研究課題
2.「人材育成」言説の形成と機能――排他的移動経路の形成と教育的レトリックによる制度的正当化
3.特定技能制度と包摂の変質――労働市場への直接的参入と「人材育成」言説の持続
4.育成就労制度の創設と「教育=労働」の統合――包摂の再構築と排他的移動経路の持続
5.おわりに――結論
第7章 日本のアニメ産業における外国人労働研究に向けて――下請制作会社におけるエスノグラフィーからの示唆[松永伸太朗]
はじめに
1.アニメ制作ならびにビジネスの国際展開
2.調査の概要
3.海外スタジオとのオンラインコミュニケーション
4.外国人アニメーターによる日本人制作進行への助言
おわりに
第8章 現代の日本的雇用システムと外国人――採用・離職・不採用[園田薫]
はじめに
1.外国人労働者に対する雇用社会の「期待」
2.期待に応えようと振る舞う外国人
3.日本的な雇用関係からの排除・離脱
おわりに
第Ⅲ部 生きるということ
第9章 制度としての国際結婚――在留資格「興行」と疑似恋愛ビジネスが形成する婚姻とその帰結[安里和晃]
はじめに
1.国際結婚をめぐる概念の検討
2.戦後日本における国際結婚の変遷
3.ポストコロニアルな国際秩序と国際結婚
4.アジア・東欧からの結婚移民の拡大
5.在留資格「興行」と婚姻の制度的接続
6.在留資格「興行」をめぐる人材供給の不安定化と多国化
7.国際結婚の離婚
8.欧米系との離婚と文化差の関係性
9.ホモガミー仮説
おわりに――結論
第10章 在日日系人子育て世帯の生活困窮下における永住志向と教育選択――日系ブラジル人と日系フィリピン人の比較分析[山本直子]
はじめに
1.日系人の定住
2.帰国と定住の説明
3.在日日系人子育て世帯の困窮の分析
4.考察――生活困窮下における分節的統合の様相
おわりに
第11章 定住と離脱のあいだで――韓国人IT技術者の日本滞在とキャリア選択[松下奈美子]
はじめに
1.第一世代――制度的整備以前の移動(1980年代~1999年)
2.第二世代――韓国労働市場からの離脱(2000~2004年)
3.第三世代――「定住」から「短期滞在」への移行(2005~2025年)
おわりに
第12章 地方圏市町村における住民の外国人政策に対する認識――外国人集住市町村の住民アンケート調査から[塚崎裕子]
はじめに
1.先行研究
2.調査の概要
3.外国人に対する政策についての住民の認識
4.外国人政策に対する住民の認識に関連する要因
おわりに
終章 国際労働移動の社会学――構造・主体・時間[倉田良樹・松下奈美子]
第Ⅰ部「国境を越えるということ」
第Ⅱ部「働くということ」
第Ⅲ部「生きるということ」
あとがき
関連年表
索引