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エリア・スタディーズ 194

ベルリンを知るための52章

著:浜本 隆志
著:希代 真理子

紙版

内容紹介

東西冷戦時代には壁を隔てて分断され、イデオロギーの違いによって分断を余儀なくされたベルリン。1990年の統合後、異なる歴史と価値観に折り合いをつけ、さらには異民族を吸引し、現在30%が移民という多文化な街に変貌と発展をとげたベルリンの歴史から最新事情までの光と影を描き出す。

目次

 はじめに

Ⅰ 変貌する現代ベルリン

第1章 ベルリン発スタートアップ――パラダイムの転換とイノベーション
第2章 フードバンク最前線――食品ロスをなくす
第3章 シェアリング・エコノミー――私有と共有
第4章 ベルリンとサブカルチャー――変貌する拠点
第5章 ベルリンのカウンターカルチャー(対抗文化)――脱資本主義の胎動
第6章 ベルリンの「移民」と教育――多文化都市の素顔
第7章 新型コロナ・パンデミック下のベルリン――ドイツ流対応

Ⅱ 環境都市ベルリン

第8章 ポスト・メルケル新連立政権――移民から環境へ
第9章 ドイツのカーボンニュートラル――エネルギー政策の転換
第10章 電気自動車(EV)へのシフト――自動車王国ドイツの決断
第11章 スマートシティ・ベルリン――都市インフラの具体例
第12章 ベルリンの屋上緑化と街路樹――期待される効果
第13章 ベルリンの公園、都市再整備――自然を感じる大都会
第14章 ベルリンのミツバチ――自然との共生

Ⅲ 生活都市ベルリン

第15章 ベルリンのベジタリアンとヴィーガン――食生活の転換
第16章 オーガニック・マーケット――自然派志向
第17章 ファストフードとスローフード――現代社会の食文化
第18章 ベルリンの青空市と近郊農業(アーバン・ファーミング)――ベルリンの2つの顔
第19章 ベルリンのクラインガルテン――都市型農園
第20章 ベルリンのドメーネ・ダーレム(Domäne Dahlem)――体験型都市農園
第21章 ドメーネ・ダーレム見学記――農園管理人へのインタビュー

Ⅳ 「ベルリン名所」とその歩き方

第22章 シャルロッテンブルク宮殿――エピソードが語る歴史
第23章 ブランデンブルク門――歴史の証人
第24章 博物館島のペルガモン博物館――ベルリンにある遺構
第25章 フンボルト・フォーラム――複合民族博物館
第26章 ベルリン・フィルハーモニー物語――伝統と革新
第27章 ドイツ国会議事堂――生きた歴史博物館
第28章 観光名所となったベルリンの壁――分断の歴史の象徴
第29章 ベルリンの名所の歩き方――街巡りのオススメ

Ⅴ ベルリンの歴史、辺境から政治の中枢へ

第30章 ベルリンの誕生――双子都市
第31章 ブランデンブルク辺境伯領とドイツ騎士団国――「北の十字軍」からルター派へ
第32章 ユグノーの受け入れ――三十年戦争の後遺症
第33章 2つの顔を持つプロイセン王国――軍国主義と啓蒙主義
第34章 ナポレオンのベルリン侵攻――古いドイツの解体と改革
第35章 ベルリン大学の創設――フンボルトの理念
第36章 ドイツ統一のプレリュード(序曲)――関税同盟の効果

Ⅵ ドイツ帝国、ワイマル共和国からナチス時代のベルリン

第37章 ドイツ帝国の成立と首都ベルリンの変貌――ナショナリズムと帝国主義
第38章 第一次世界大戦と帝政崩壊――「背後からの匕首」伝説
第39章 ワイマル共和国の政治――不安定な多党化
第40章 「黄金の20年代」――花開いたベルリン文化
第41章 ナチス時代のベルリン――3つの炎が物語るもの
第42章 ベルリン・オリンピックの聖火リレー伝説――バルカン半島への視線
第43章 世界都市ゲルマニアとその瓦解――夢の跡

Ⅶ 分割から再統一へ

第44章 東西ドイツとベルリンの分割――冷戦の始まり
第45章 鉄のカーテンを越えて――私的なアーカイブ
第46章 壁の崩壊直後の現場にて――歴史が動くとき
第47章 首都はベルリンかボンか――一極集中と連邦制
第48章 ドイツ再統一とユグノーの恩返し――歴史の連鎖
第49章 オスタルギーとメルケルの涙――東西ベルリンの狭間で
第50章 ドイツ無血再統一――生き残ったアンペルマン
第51章 直近の連邦議会選挙とベルリン市議会選挙――ドイツの行方
第52章 『永遠平和のために』――カントの遺言

 あとがき
 主要参考文献
 著者略歴

著者略歴

著:浜本 隆志
1944年香川県生まれ。現在、関西大学名誉教授、ワイマル古典文学研究所、ジーゲン大学留学。ドイツ文化論、比較文化論専攻。
主要著作
『魔女とカルトのドイツ史』(講談社現代新書)、『ナチスと隕石仏像』(集英社新書)、『「笛吹き男」の正体』(筑摩選書)、『図説 ヨーロッパの装飾文様』(河出書房新社)、『現代ドイツを知るための67章』(明石書店、編著)、『ポスト・コロナの文明論』(明石書店)など多数。
著:希代 真理子
1973年大阪生まれ、奈良育ち。1995年よりドイツ・ベルリン在住。フンボルト大学でロシア語学科を専攻した後、モスクワの医療クリニックでインターン。その後、ベルリンの映像制作会社に就職し、コーディネーターとして主に日本のテレビ番組の制作にかかわる。2014年よりフリーランスとして活動。メディアプロダクションに従事。2020年にAha!Comicsのメンバーとして、ドイツの現地小学校を対象に算数の学習コミックを制作。『ベルリン――廃墟と記憶』近刊(自費出版)。

ISBN:9784750355078
出版社:明石書店
判型:4-6
ページ数:308ページ
価格:2000円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年02月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB