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非日常のアメリカ文学

ポスト・コロナの地平を探る

編著:辻 和彦
編著:浜本 隆三

紙版

内容紹介

私たちは今、従来の20世紀的な日常とはすこし異なる「非日常」を生きている。コロナという人知を超えた災厄と対峙する知恵を、「非日常」という共通項を軸に、ヘンリー・ソロー、マーク・トウェイン、スコット・F・フィッツジェラルド、カート・ヴォネガット等、著名な作家の文学作品に探る。

目次

 はじめに

第1部 日常のなかの非日常

第1章 コロナ禍に読む『ウォールデン』の空気[浜本隆三]
第2章 遊びをせんとや生まれけむ――マーク・トウェイン『王子と乞食』におけるごっこ遊びによる非日常化[新関芳生]
第3章 ヴェルマ・ウォーリスが描く北米先住民の日常――姥捨ての物語が明らかにした真実[林千恵子]
第4章 山火事とともに生きる――ビッグ・サー文学における逗留の感覚[菅井大地]

第2部 非日常のなかの日常

第5章 ニューヨークの幽霊たち――マーク・トウェインと非日常[辻和彦]
第6章 一九二〇年代のアメリカ小説と(非)日常――『グレート・ギャツビー』を中心に[坂根隆広]
第7章 カリフォルニア・ベイエリア現代詩における「非日常」に対する抵抗[高橋綾子]
第8章 身体の非日常――『ダイエットランド』と『ファットガールをめぐる13の物語』を通して考える[日野原慶]

第3部 非日常のなかの非日常

第9章 カート・ヴォネガットのSF小説『タイタンの妖女』と『猫のゆりかご』[平田美千子]
第10章 カート・ヴォネガット『タイムクエイク』における既視感の(非)日常[中山悟視]

終章 難破する想像力と非日常[辻和彦]

 あとがき
 さくいん

著者略歴

編著:辻 和彦
広島大学大学院社会科学研究科修了。近畿大学文芸学部教授。博士(学術)。
主な業績:『終わりの風景』(共編著、春風社、近刊)、Rebuilding Maria Clemm: A Life of “Mother” of Edgar Allan Poe(Manhattanville Press, 2018)、『その後のハックルベリー・フィン――マーク・トウェインと十九世紀アメリカ社会』(渓水社、2001年)他。
【備考:「辻」は1点しんにょう】
編著:浜本 隆三
同志社大学大学院アメリカ研究科博士後期課程単位取得退学。甲南大学文学部専任講師。主な業績:『アメリカの排外主義――トランプ時代の源流を探る』(平凡社新書、2019年)、『文学から環境を考える――エコクリティシズムガイドブック』(共著、勉誠出版、2014年)、『マーク・トウェイン 完全なる自伝』(第一巻)(共訳、柏書房、2013年)他。

ISBN:9784750354804
出版社:明石書店
判型:4-6
ページ数:288ページ
価格:2700円(本体)
発行年月日:2022年10月
発売日:2022年10月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB