エリア・スタディーズ 150
イギリスの歴史を知るための50章
編著:川成 洋
内容紹介
スコットランド独立の住民投票、EU離脱など、近年話題の絶えないイギリスだが、その背景には何があるのか。古代から現代までの膨大な歴史を50のトピックで切り取り、通史でありつつも各時代のポイントを絞って記述。読み物としても楽しめるイギリス史入門。
目次
はじめに
第Ⅰ部 先史・古代
1 ブリテン島のケルト人――いまも辺境に生きる伝統文化
[コラム1]ストーンヘンジ
2 ブリテン島のローマ人――ローマ文明との出会い
[コラム2]ハドリアヌスの防壁
[コラム3]ロンドンの誕生
[コラム4]バース
3 アングロ・サクソン人のイングランド――ヴァイキング来寇以前のアングロ・サクソン諸王の行状
4 アングロ・サクソン・イングランド統一への道――ヴァイキングに翻弄された王朝
5 英語のルーツと変遷――アングロ・サクソン民族の言語から国際語へ
6 キリスト教の伝播――西欧文化圏への帰属
第Ⅱ部 中世
7 ノルマン・コンケスト――論争を生み続ける「イングランド史の転換点」
[コラム5]アングロ・サクソン人を睥睨したノルマン式の城
8 アンジュー帝国――中世英仏関係史の中で
9 マグナ・カルタ――国制基本文書説の再検討
10 大陸からの撤退と島国国家の誕生――中世から18世紀まで
11 百年戦争――島国イギリスの誕生
[コラム6]パブリック・スクール
12 バラ戦争――命運を握っていたのは女性
第Ⅲ部 近世
13 テューダー王朝の始まり――王領地拡大による王権強化
14 ヘンリー8世と宗教改革――その後のイングランドを大きく変えた王の離婚
15 支配されるウェールズ――イングランドによるウェールズの併合を中心として
16 エリザベス朝の社会――格差の拡大とイングリッシュネスの誕生
17 無敵艦隊(アルマダ)の戦い・ドーヴァー沖海戦――無謀なる遠征の果てに
18 東インド会社――世界商業の始まり
19 ピューリタン革命から王政復活へ――回転した革命
20 奴隷貿易と奴隷貿易廃止――「人道主義の帝国」前史
[コラム7]『ピープスの日記』
21 名誉革命――議会中心の体制へ
[コラム8]博物学の黄金時代
22 七年戦争――イギリス帝国の形成
23 財政軍事国家の成立――近世国家の歴史的役割
24 イングランドとスコットランドの議会合同――現代までくすぶり続ける政治課題
25 重商主義帝国とは何か――産業革命以前の帝国
26 産業革命――世界で最初の工業国家の誕生
[コラム9]鉄道の発祥と産業革命
27 偉大なる宰相ウォルポール――政権批判に苦しんだ初めての首相
第Ⅳ部 近代
28 アメリカ独立戦争――代表されずして課税なし
29 フランス革命・ナポレオン戦争――最初の「総力戦」とそのインパクト
[コラム10]フランス革命の衝撃とパンフレット戦争
30 ジョージ3世と摂政時代――保守と改革 近代の幕開け
31 アイルランド併合・連合王国成立――グローバル帝国主義の助走
32 ヴィクトリア時代――イギリスの黄金時代
33 アヘン戦争――名誉か? 商売か?
34 インド帝国創建――現代インドへの道
[コラム11]イギリスが育んだスポーツ
35 ボーア戦争――「光栄ある孤立」を破棄する大事件
[コラム12]東西を結んだ日英同盟
第Ⅴ部 現代
36 女性参政権――思想と運動の長い営み
37 20世紀の秘密情報機関――連戦連勝の基となった機関
38 覇権国イギリスの第一次世界大戦――帝国の総力戦体制
39 イースター蜂起――共和国殉教神話の誕生
40 イギリス帝国からコモンウェルス――パッチワークの帝国からグローバルな国家クラブへ
41 「至上の時」の神話――イギリスの第二次世界大戦経験
[コラム13]対日戦戦勝記念日(V-Jデー)
42 ウィンストン・チャーチル――コモンセンスを信奉するファイター
43 「ゆりかごから墓場まで」――福祉国家の後は?
44 イギリスの民衆運動――接続する民衆運動
45 イギリスとヨーロッパ統合――終わらない困難な関係
46 サッチャリズム――政策・思想とスコットランド・LGBTから見る
47 ブレア労働党政権――ニュー・レイバー登場
48 イギリスの議会――議院内閣制とポピュリズム
49 現代の移民事情――歴史がつくった多人種社会
50 イギリスにおける人種差別問題――寛容と排除の歴史?
参考文献
歴代首相一覧
歴代国王一覧
年表