イギリス・EU・グローバル行政法
著:ポール・クレイグ
訳:中村 民雄
内容紹介
英国法の大家として著名なポール・クレイグ オックスフォード大学名誉教授が、2015年にケンブリッジ大学出版局から刊行した『UK, EU and Global Administrative Law』の日本語訳。
イギリス、EU、グローバルの3層における行政法の働きについて、それぞれ深い洞察を行っているほか、各層の相互作用にも言及している点で非常にユニークな特色を持つ。
特に、グローバル行政法は世界的に見ても最先端の研究であり、日本では一部の研究者が紹介しているにとどまる。本書は、日本におけるグローバル行政法研究の出発点ともなるであろう。イギリス法、EU法を学ぶ者にとって必読の一冊である。
目次
日本語版への序
訳者はしがき
緒言
第1章 イギリス行政法の基礎
1 はじめに
2 行政法の歴史的発展――概念の視点
3 行政法の歴史的発展――裁判所の視点
4 行政法の形成――行政機構面
5 行政法の形成――理論・価値・事実
6 コモン・ロー法理と立法者意思――地ならし
7 コモン・ロー法理と立法者意思――分析・実証・規範面
8 むすび
第2章 イギリス行政法の課題
1 はじめに
2 訴訟件数
3 コモン・ロー立憲主義と政治的立憲主義
4 手続と治安
5 実体――規範的判断と衡量
6 実体――司法審査と敬譲(deference)・尊重(respect)・重み(weight)
7 法秩序間の相互作用――自生性とその限界
8 法秩序間の相互作用――規制
9 むすび
第3章 EU 行政法の基礎
1 はじめに
2 実定法上の基礎
3 実体的基礎
4 規制の基礎
5 むすび
第4章 EU 行政法の課題
1 はじめに
2 係属件数の増加
3 手続とアクセス
4 実体審査,厳格な審査基準,その他の審査基準
5 実体と法秩序間の相互作用
6 規制,行為,機関,実効性
7 むすび
第5章 グローバル行政法の基礎
1 はじめに
2 規制の基礎――グローバル領域の鳥瞰図
3 規制の基礎――根拠
4 裁判上の基礎――制度と審判
5 法的論争点――介入の理論的根拠
6 法的論争点――グローバル行政「法」の性質
7 法的論争点――グローバル行政法,多元主義,諸価値
8 法的論争点――グローバル行政法,多元主義,上下関係
9 むすび
第6章 グローバル行政法の課題
1 はじめに
2 水平的な課題――グローバル次元の法理の構築
3 垂直的な課題――法秩序間の相互作用
4 むすび
索引
ISBN:9784657230041
。出版社:早稲田大学出版部
。判型:A5
。ページ数:523ページ
。定価:6500円(本体)
。発行年月日:2023年03月
。発売日:2023年04月04日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LND。