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早稲田大学学術叢書 58

貧困と格差のミクロ・データ分析

貧困のリスク要因、犯罪、新型コロナの影響

著:上田貴子

紙版

内容紹介

近年、先進諸国における「貧困」と「格差」への社会的な関心が高まっている。本書では日本の貧困や所得格差の現状について、政府統計調査などのミクロ・データ(個票データ)をもとに実証的に分析。これまで主な分析対象とされてきた政府統計調査の集計データだけでは導き出されてこなかった、リスク要因の関連性が明らかとなる。また、貧困による影響のひとつである犯罪との関連、新型コロナウイルス感染症拡大の影響について分析する。貧困層・低所得層の実態とは。貧困対策を考えるうえでの必読書。

目次

序 章  データによる貧困へのアプローチ

第Ⅰ部 家族、教育と貧困の分析
第1章 世帯属性と貧困の要因――「国民生活基礎調査」を基に
第2章 貧困と生活状況――「国民生活基礎調査」「全国消費実態調査」による分析
第3章 就労と貧困――「就業構造基本調査」による分析
第4章 大学非常勤講師――「学校教員統計調査」の分析から
第5章 世代間での所得格差の連鎖

第Ⅱ部 犯罪と経済的要因の分析
第6章 経済学における犯罪と経済的要因の実証研究
第7章 刑務所収容者における犯罪と経済的要因の関連――「矯正統計」による分析
第8章 少年鑑別所収容者における少年非行と経済的要因の関連――「少年矯正統計」による分析

第Ⅲ部 新型コロナウイルス感染症による低所得層への影響
第9章 新型コロナウイルス感染症拡大と就労・収入――統計データと学術研究から
第10章 新型コロナウイルス感染症拡大による環境変化と所得水準――内閣府調査による分析
第11章 「コロナなんでも相談会」電話相談記録票による分析

終 章 貧困リスクの考察

著者略歴

著:上田貴子
1983年東京大学経済学部卒業、1994年米国ウィスコンシン大学マディソン校Ph.D. (Economics)。東京都立大学経済学部助手、筑波大学社会工学系助手・講師を経て、2001年早稲田大学政治経済学部(現・政治経済学術院)専任講師、2002年助教授、2007年教授を経て、2022年早稲田大学名誉教授。

ISBN:9784657227027
出版社:早稲田大学出版部
判型:A5
ページ数:346ページ
定価:5000円(本体)
発行年月日:2023年01月
発売日:2023年01月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA