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江戸後期、老中松平定信により断行された寛政改革とはいかなるものだったのか。田沼政治の矛盾、農村の疲弊、天明の打ちこわし等、改革以前の状況を検証し、本百姓体制の再建、社会秩序の回復、勘定所御用達の登用など、幕政再建に取組んだ様々な政治改革の実態を解明。改革の意義を問い直すとともに、文化・文政期への展望を示す。

寛政改革序説（寛政改革の前提／松平定信政権の性格／改革政治の展開／文化期への展望―むすびにかえて／補論）／寛政改革の前提（改革の前提―天明の打ちこわし―／天明の江戸打ちこわしの実態／天明末～寛政初年出版の黄表紙）／勘定所御用達・米方御用達の成立（寛政改革と勘定所御用達の成立／寛政改革と米方御用達の成立／勘定所御用達の成立経緯　再論）／改革政策の展開（物価引下令と七分積金令／南鐐二朱判の流通促進政策／旧里帰農奨励令と江戸の雇傭労働／天明の餌鳥殺生一件と寛政の乞胸一件―浅草寺境内における「聖」と「俗」―／江戸盗妖騒動の政治的影響／関東郡代伊奈忠尊失脚と歴史的意義）／寛政改革と化政期への展望（寛政期における金融政策の実態と市場統制／化政期における公金貸付の展開と領主経済／公金貸付の展開と畿内・中国筋農村）

著：竹内　誠
1933年、東京都に生まれる。1964年、東京教育大学大学院博士課程単位取得退学。東京学芸大学教授、徳川林政史研究所所長、東京都江戸東京博物館館長などを歴任。2020年没
【主要著書】『江戸と大坂』（小学館、1989年）『文化の大衆化』（編著、中央公論社、1993年）『江戸の盛り場・考』（教育出版、2000年）『徳川幕府と巨大都市江戸』（編著、東京堂出版、2003年）『寛政改革の研究』（吉川弘文館、2009年）