歴史文化ライブラリー 284
壬申の乱を読み解く
著:早川 万年
紙版
内容紹介
古代日本を大きく揺るがした壬申の乱。大海人と大友の二人の皇子による皇位継承争いの実態を検証する。『日本書紀』に見られる戦記はいったい何を伝え、何が語られなかったのか。戦後の政権基盤の安定に向けて勝者はこの戦いをいかに利用したのか。地方豪族の動きや、史学史上の壬申の乱にも目を向け、劇的な戦乱がもたらしたものを読み解く。
目次
勝者の政権―プロローグ/大海人皇子、東国へ(戦いの発端/吉野から伊勢へ/大海人皇子の勢力基盤)/近江と大和の戦い、そして終結(近畿・東海地方の動向/大和方面の戦闘/美濃から近江への進攻/戦いの終結と戦後処理)/勝者の論理と「史実」(史料としての壬申紀/編纂者の立場と「仕事」/「史実」と「記述」)以下細目略/回顧される壬申の乱と「功臣」/壬申紀の形成とその影響/「はじまり」としての壬申の乱―エピローグ