歴史文化ライブラリー 263
明治の皇室建築
国家が求めた〈和風〉像
著:小沢 朝江
紙版
内容紹介
維新後いち早く断髪・洋装し、〈洋風〉化の手本とされた天皇や皇族。しかし明治天皇は〈和風〉建築でありながら内部は〈洋風〉の宮殿に住み、東宮には〈和風〉装飾が隠された御所が造営された。皇室の建築が表現しようとしたものは何か。巡幸先の行(あん)在所(ざいしょ)、別荘である御用邸などの様式も具体的に紹介しつつ、明治国家が求めた〈和風〉空間を探る。
目次
〈和風〉と〈洋風〉―プロローグ/行在所―「天皇の空間」と〈和風〉〈洋風〉―(明治天皇の地方巡幸/明治天皇と〈和風〉〈洋風〉/嘉仁親王の地方巡啓/行在所が担うもの)/明治宮殿―〈和風〉の創造―(皇居造営計画/近代皇居の機能と空間/〈和風〉のリバイバルモチーフ/明治宮殿から貴賓室へ)以下細目略/東宮御所―隠された〈和風〉装飾―/御用邸―〈和風〉の嗜好―/皇族本邸―〈洋風〉推進から〈和風〉回帰へ―/〈和風〉の誕生―エピローグ