序 章 本論文集の射程と要旨――「日本」における宗教思想の交錯(西田彰一・藤本憲正)
1 本論文集の出版経緯と目的・内容
2 第Ⅰ部「西洋の日本宗教観と日本的基督教の形成」について
3 第Ⅱ部「仏教と儒教にみる近世・近代の東アジア思想文化の交錯」について
4 本論文集の射程と意義
第Ⅰ部 西洋の日本宗教観と日本的基督教の形成
総論1 近世・近代ヨーロッパにおける日本宗教観とその変遷(フレデリック・クレインス)
総論2 キリスト教との関わりから見た近代の日本(芦名定道)
第1章 日本二十六聖人列聖に見る近世宣教記憶の一九世紀的再編――「殉教の日本」像の歴史的展開(小俣ラポー日登美)
1 日本二十六聖人列聖過程
2 日本二十六聖人列聖の意義
3 「殉教の日本」の近代化に向けて
第2章 海老名弾正の帝国神道的キリスト教(洪 伊杓)
1 海老名弾正をめぐる「神道的キリスト教」論争の行方
2 帝国神道の形成過程と海老名弾正
3 一九三〇年代の植民地朝鮮における海老名弾正
4 海老名弾正の朝鮮伝道論と帝国神道的キリスト教
第3章 神ながらの道と日本的基督教――筧克彦の学説による国体論とキリスト教の接合(西田彰一)
1 筧克彦にみる国体論と日本的基督教の相互影響関係
2 国体論者筧克彦のキリスト教論
3 井上哲次郎と海老名弾正からの思想的継受
4 筧の古神道、神ながらの道のキリスト者への影響
5 渡瀬常吉の日本的基督教と筧の神ながらの道への批判
6 知識人層におけるキリスト者と国体論者の相互の影響関係
第4章 渡瀬常吉の「日本神学」――二つの「詩」と「王国」をめぐって(斎藤公太)
1 「日本的基督教」の代表者としての渡瀬常吉
2 「日本神学」の概要
3 渡瀬の神学的立場
4 国学におけるキリスト教受容の系譜
5 日本主義、日本精神論との関係
6 「日本神学」の政治的含意
7 「日本神学」から見えてくるもの
第5章 魚木忠一のキリスト教精神史と日本類型――その思想的意義と現代的読み替え(藤本憲正)
1 魚木忠一の略歴
2 魚木のキリスト教「精神史」
3 魚木の類型論
4 日本類型の特徴
5 日本類型の歴史叙述
6 議論
第6章 日本植民地支配下台湾のキリスト教と「台湾人」の自己確立――周天来の著作活動に着目して(三野和惠)
1 キリスト教、二つの近代と台湾
2 南部台湾長老教会と教会刊行物の歩み
3 周天来の教育経験
4 白話字および和文による著作活動
5 「小さき者」の「奮闘」を追う――日本植民地下台湾人キリスト者研究の課題
第Ⅱ部 仏教と儒教にみる近世・近代の東アジア思想文化の交錯
総論3 文化の接合域としての近世・近代の仏教(末木文美士)
総論4 近世・近代の東アジアにおける宗教複合と寛容の思想(伊東貴之)
第7章 「生きた縁起」としての説教――近世後期の民衆信仰の「接合域」(石原 和)
1 神仏が融け合う如来教説教
2 近世後期の霊験の示し方――如来教の正当性のありかを探る
3 再編される如来教の縁起――民衆信仰の「接合域」の形成過程
4 「生きた縁起」と民衆信仰の「接合域」
第8章 日中琉における民衆教化思想の交差――琉球王国の「六諭」受容について(殷 暁星)
1 日中琉における「六諭」
2 「六諭」と琉球の民衆教化
3 日中琉における教化思想の交差
第9章 奪衣婆と女性像の変容――妙多羅天女・小野小町・うば尊(坂 知尋)
1 奪衣婆とその表象をめぐって
2 新潟県弥彦村弥彦神社神宮寺の妙多羅天女
3 秋田県秋田市釈迦堂光明寺の小野小町像
4 富山県立山町芦峅寺のうば尊
5 奪衣婆にみる多様な女性表象の展開
第10章 日蓮像の近世・近代(ブレニナ ユリア)
1 近世と近代の「接合域」としての日蓮像
2 近世における「祖師日蓮」のイメージ形成
3 近代における日蓮像の展開
4 日蓮像の「近世」と「近代」の関係性――部分的否定と選択的増幅
第11章 近代仏教史における「日本」を相対化する視点――鈴木大拙と今村恵猛の事例から(守屋友江)
1 近代仏教史から「接合域」「多面性」を考える
2 禅と自由――鈴木大拙
3 浄土真宗とアメリカニズム――今村恵猛
4 研究者の視座を相対化する
コラム
1 イメージと〈実態〉――ヨーロッパにおける日本イメージの形成とその特徴(小俣ラポー日登美)
2 近世初期の日本から見たヨーロッパとキリスト教(清水有子)
3 日本のキリスト教の西洋への提示――一九世紀末における模索(星野靖二)
4 陳元贇『老子経通考』に見られる蘇轍『老子解』の批判(李 麗)
5 近代陽明学と日本思想(山村 奨)
6 近現代韓国・朝鮮の親族・家族をめぐる儒教規範と日本の植民地支配(田中美彩都)
あとがき
人名索引
事項索引