はじめに──本書の構成と使い方
第Ⅰ部 サブカルを研究に
第1章 神話と歴史学研究 ──前近代のアイルランドの物語を中心に(疋田隆康)
1 神話と歴史書
2 歴史研究における物語の活用
3 神話を含む学際的研究
第2章 中世キリスト教における迷信・異端 ──正統との境界線はいかにして引かれるか(図師宣忠)
1 物語の中の異端審問官
2 中世キリスト教において何が問題視されたのか
3 「迷信」や「異端」へのアプローチ
第3章 中世という時代に生きたジャンヌ・ダルク──人物から西洋史を探究する(上田耕造)
1 ジャンヌ・ダルクを知っていますか
2 ジャンヌ・ダルクを通して中世を探究する
3 ジャンヌ・ダルク研究を参考に他の人物史の可能性を探る
第4章 魔女裁判 ──民衆の信仰世界と司法(小林繁子)
1 「魔女」の多様なイメージ
2 魔女をめぐる研究視角
3 さらに研究するために──魔女への多様なアプローチ
第5章 黒旗を掲げて歴史の海に乗り出す──海賊研究から始めるマリタイム・ヒストリーの世界(薩摩真介)
1 海の歴史と海賊研究
2 よみがえる歴史上の海賊たち
3 海の歴史のさらなる広がり
第6章 スポーツ=身体文化の可能性──「人文知」と「身体知」の十字路(山本航平)
1 スポーツを歴史学する
2 スポーツ史の射程と動向
3 キューバ野球史の論点
第Ⅱ部 歴史学の関心から
第7章 ネットワーク ──一国史を超えて古代ギリシア史を探究する(岸本廣大)
1 古代ギリシア史研究の関心の広がり
2 古代ギリシアの外交ネットワーク
3 ネットワークに注目した探究の可能性
第8章 「記憶」がつくりだす過去のイメージ ──ローマ皇帝の「記憶」とその受容(福山佑子)
1 ローマ皇帝の「記憶」
2 ネロの「記憶」の形成と受容
3 過去の「記憶」を読み解く
第9章 西欧中世の異文化接触 ──「レコンキスタ」から西洋史を探究する(阿部俊大)
1 西欧中世の異文化接触を知っていますか
2 「レコンキスタ」のプロセスと異文化接触の諸類型
3 「レコンキスタ」から生まれる研究テーマ
第10章 都市の暮らしを守る ──イタリア中世都市共同体の生存戦略(中谷 惣)
1 都市社会史へ
2 都市の暮らしを守る制度と取り組み
3 新たな中世都市に出会うために
第11章 もう一つの近世フランス史 ──「宗教」から西洋史を探究する(坂野正則)
1 宗教に根差した近世社会
2 宗派化を通して近世国家を探究する
3 近世における離散と文明という視点
第12章 動物史と感情史 ──近代イギリスにおける動物虐待防止法の歴史を中心に(伊東剛史)
1 動物が共感する,動物に共感する
2 動物虐待防止法の成立
3 人と動物の感情史
第13章 プロソポグラフィあるいは集団的伝記研究──近現代フランス史を中心に(谷口良生)
1 歴史学と人
2 プロソポグラフィから見える近現代フランスの議会
3 日本の西洋史学とプロソポグラフィ
第14章 読書の歴史 ──ロシアとヨーロッパの近代を中心に(巽 由樹子)
1 書物の顔
2 読書史研究の諸課題
3 読者の声
第Ⅲ部 過去と現在をつなぐ
第15章 生態環境と古代地中海世界 ──池のほとりの蟻や蛙のように(南雲泰輔)
1 「人新世」の歴史学
2 古代地中海世界の生態環境を考える
3 統合知への一歩を踏み出すために
第16章 「もう一つのヨーロッパ」としてのバルカン──帝国から民族国家へ(黛 秋津)
1 バルカン──3つの文化世界の重なる場所
2 近代バルカン民族運動出現の歴史的経緯と背景
3 バルカンの歴史に興味を持った人のために
第17章 中・東欧のナショナリズム ──民族/国民はどのように形成されたのか(中澤達哉)
1 教科書の中の中・東欧
2 中・東欧とナショナリズム
3 帝国論とナショナル・インディファレンス
第18章 帝国と植民地 ──イギリス領インドと南アフリカの指紋認証の歴史を中心に(堀内隆行)
1 高校世界史の教科書記述と世界システム論
2 経済,文化,指紋認証
3 様々な帝国史のテーマ
第19章 戦争と感染症 ──第一次世界大戦とスペイン・インフルエンザの経験(村上宏昭)
1 環境史としての疫病の歴史
2 スペイン・インフルエンザの歴史研究から
3 感染症の歴史を深く知るために
第20章 ナチ強制収容所 ──社会的に「受容」されていった差別と恐怖のシステム(柳原伸洋)
1 ヒトラー,ナチズム,そしてホロコーストを探究するために
2 ナチ強制収容所の社会史を探究してみる
3 「歴史」として捉えつつ,「今,ここ」と地続きに考えるために
第21章 ジェンダーで書きなおす歴史といま ──アメリカ社会の経験(松原宏之)
1 ジェンダー史の冒険へ
2 女性史・ジェンダー史の旅路
3 さらなる冒険のための装備
おわりに
索 引