ミネルヴァ日本評伝選
本居宣長
天地万物、皆吾ガ賞楽ノ具ナルノミ
著:田尻 祐一郎
内容紹介
本居宣長(1730年から1801年)国学者。
松坂の商家に生まれ、母の勧めにより医者となる。医業のかたわら、史学・古典文学・神道・国語学などの研究に生涯を捧げた。主著は『古事記』註釈としての『古事記伝』である。物語や和歌を中心とした王朝文学の美意識を理想とし、神代のおおらかさや清々しさの中からあるべき「道」の姿を導き出そうとした。
目次
はしがき
第一章 青 春
1 誕 生
2 父 祖
3 少青年期
4 堀景山
5 京都での日々(一)
6 京都での日々(二)
7 京都での日々(三)
8 契 沖
第二章 「物のあはれを知る」
1 『排蘆小船』
2 歌会・講義・結婚
3 『紫文要領』
4 『石上私淑言』
第三章 「道」とは何か
1 賀茂真淵
2 医業と家庭
3 谷川士清
4 「直霊」
5 吉野への旅
6 語学説
第四章 論客宣長
1 『答問録』
2 『くず花』
3 『鉗狂人』
4 『呵刈葭』
5 外宮祭神論争
6 『馭戎慨言』
7 『真暦不審考弁』、その他
第五章 家長の責任、詠歌の悦楽
1 『玉くしげ』と『秘本玉くしげ』
2 和歌山藩への出仕
3 春庭と大平
4 宣長の歌
第六章 『古事記伝』
1 『古事記』
2 『古事記伝』の世界(一)――神
3 『古事記伝』の世界(二)――高天原・葦原中国・黄泉国
4 『古事記伝』の世界(三)――マガツビとナホビ
5 『古事記伝』の世界(四)――アマテラスとスサノヲ
6 『古事記伝』の世界(五)――オホクニヌシ
7 『古事記伝』の世界(六)――「三大考」
8 『古事記伝』の世界(七)――ヤマトタケ
9 『古事記伝』の世界(八)――神功皇后
10 『古事記伝』の世界(九)――民俗への関心
第七章 晩 年
1 「古学」の広まり
2 知友と門人
3 『うひ山ぶみ』と『続紀歴朝詔詞解』
4 遺言と死
むすび――「物」と本居宣長
参考文献
あとがき
本居宣長略年譜
人名索引
作品名索