はじめに
序 章 江戸時代はどんな時代?
江戸時代を歩いてみよう
江戸の心臓部「三都」
棲み分けながら役割分担する社会
明るい農村がリードする社会
お金にふりまわされる社会
二つの顔を持つ江戸時代
第Ⅰ部 創業の戦い――新しい国造り
第一章 それまでの「日本」
地方分権と自由放任主義
中央政府の崩壊と幕府の誕生
下げ止まらない衰退と混乱
度会氏「神は垂るるに祈祷を以て先と為す。冥は加ふるに正直を以て本と為せり」(『倭姫命世記』)
北畠親房「大日本者神国也」(『神皇正統記』)
第二章 中世のおわりと近世のはじまり
地方に集約する権力
統一される地方
統一と分断のせめぎ合い
統一日本
上杉謙信「依怙にて弓箭を携へず候。只々筋目を以て何方へも合力致す迄に候」(「佐竹義昭宛書状」)
豊臣秀吉「吾化の及ぶ所は均しく一樊なり。吾樊之を失せば、乃ち復た之を得ん」(『名将言行録』)
第三章 形をつくる
統一事業はなぜ必要だったのか
天下人の苦悩
最後の総仕上げ
徳川家康「天地を尽しても、武士の有らんかぎりはこの道理すたるまじ」(『本多平八郎聞書』)
本多正信「天道とは、神にもあらず、仏にもあらず、天地のあいだの主にて、しかも躰なし」(『本佐録』)
第四章 心をつくる
朱子学が求められた訳
朱子学について
日本の心となった朱子学
藤原惺窩「明徳とは人倫のことなり」(「大学逐鹿評」)
林羅山「身に誠あるの楽しみ、あに孝悌忠信の外にあらんや」(「吟風弄月論」)
第五章 政治をつくる
「公器」としての幕府
君主権力の強化と倫理の浸透
合理精神と政治の融合
保科正之「惣じて官庫の貯蓄と云ふものは(中略)士民を安堵せしむる為めにして、国家の大慶とするところなり」(『千載之松』)
新井白石「とかく死し候已後、百年も二百年も後の人々の公論に身を任せ候より外、これなく候」(「佐久間洞巌宛書簡」)
第六章 経済をつくる
改革のはじまり
事務の鬼の経済政策
米将軍の経済政策
現場主義が招いた社会の崩壊
地方から生まれた経済モデル
徳川経済学の誕生
荻生徂徠「その代相応の器量の人なしといふ事は、道理に於てこれなき事也」(『政談』)
上杉鷹山「国家は先祖より子孫へ伝候国家にして、我私すべき物には無之候」(『伝国の辞』)松平定信「田楽の 串々思ふ 心から 焼いたがうへに 味噌をつけるな」(『甲子夜話』)
第七章 学問をつくる
中国における朱子学の登場
日本における朱子学のはたらき
朱子学の純粋化と陽明学の登場
「古学」とは何か
中江藤樹「われ人の身のうちに、至徳要道といへる天下無双の霊宝あり」(『翁問答』)
伊藤仁斎「只、孝弟忠信を言て足れり」(『童子問』)
貝原益軒「大いに疑へば大いに進むべく、小しく疑へば小しく進むべし」(『大疑録』)
第八章 武士をつくる
兵法、軍学、儒教
古い武士と新しい武士
武士の美徳あれこれ
緊張と融和
宮本武蔵「我、事において後悔をせず」(『独行道』)
山鹿素行「道は人物由りて行くところの名なり」(『中朝事実』)
山本常朝「武士道と云は、死ぬ事と見付たり」(『葉隠』)
第九章 歴史をつくる
歴史とは何か
「大義」という物語
「勢」と「義」という物語
徳川光圀「神儒を尊んで神儒を駁し、仏老を崇めて仏老を排す」(『梅里先生墓誌銘)
安積澹泊「豈に唯だ天のみならんや、亦、人に由るなり」(『大日本史論賛』)
栗山潜鋒「譬へば魚の爛れて、外に未だ見えずして、内に先ず潰るるが如し」(『保建大記』)
三宅観瀾「正統は義にありて器にあらず」(『中興鑑言』)
第一〇章 教育をつくる
文武並び立つ教育
実用と生活の教育
私塾という存在
朱子学と教育
学問の自主性と教育爆発
細井平洲「仁とは御身のうへはともかくもになされ候て、人のうへをあはれみ苦世話に持ち給ふことなり」(『嚶鳴館遺草』)
広瀬淡窓「敬天の旨、天命を楽しむを以て主となす」(『約言』)
第Ⅱ部 守成の戦い――西洋化への抵抗
第一一章 西洋と江戸
キリスト教と神国思想
朱子学と神国思想
新井白石の文明論
松平定信の国防戦略
会沢正志斎と「国体論」
江戸の思想の総決算
国体論にもとづく戦略構想
尊王攘夷の総力戦体制
会沢正志斎「国にして体なくんば、何を以て国となさんや」(『新論』)
徳川斉昭「弘道とは何ぞ。人、よく道を弘むるなり。道とは何ぞ。天地の大経にして、生民の須臾も離るべからざる者なり」(『弘道館記』)
第一二章 維新と江戸
幕府の外交的成功と攘夷運動
徳川幕府による近代国家への道
尊王傾向の発生と朝廷の台頭
江戸時代の終焉
維新の思想
もう一つの可能性
川路聖謨「天津神に 背くもよかり 蕨つみ 飢えにし人の 昔思へば」(『川路聖謨之生涯』)
吉田松陰「余、寧ろ人を信ずるに失するとも、誓って人を疑ふに失することなからんと欲す」(『講孟劄記』)
第一三章 江戸と近代
「和魂洋才」の終わりと西洋化のはじまり
西洋化と朱子学
福沢諭吉という存在
西洋化と「立身出世主義」
「日本型経営」の萌芽
倫理の守護者、明治天皇
近代に残った江戸
西郷隆盛「国に尽し、家に勤むるの道明らかならば、百般の事業は従って進歩すべし」(『南洲翁遺訓』)
乃木希典「われゆかば 人もゆくらむ 皇国の たゞ一すぢの 平けき道」(『乃木将軍詩歌集』)
第一四章 江戸と現代
地方の衰退と倫理の頽廃
大正デモクラシーと西洋化の達成
帝国陸軍と西洋化の矛盾
帝国陸軍の「物語」
大日本帝国の変質
最終決着としての「大東亜戦争」
永田鉄山「愛国心は日本人の占有物にあらず」(『講義録』)
東条英機「真骨頂とは何ぞ。忠君愛国の日本精神是れのみ」(「遺書」)
終 章 それからの日本
戦後の「物語」
戦後日本の形と心
高度経済成長期と「日本型経営」の完成
「日本型経営」の牙城
再びの「敗戦」
西洋化への抵抗
安岡正篤と小林秀雄
戦う江戸の思想
おわりに
引用・参考文献
人名・事項索引