はじめに——日本と古代ギリシア・ローマ世界
第Ⅰ部 ギリシア
第1章 アケメネス朝ペルシア——世界帝国とギリシア諸都市(阿部拓児)
ギリシア人の「巨大な隣人」
アフラマズダ神の代行者
ペルセウスの末裔
自己演出と自意識の二面性
アッシリア帝国の滅亡
キュロス2世による帝国の創建
カンビュセスによるエジプト征服
ダレイオス1世による帝国の完成
膨張する帝国
対ギリシア遠征(ペルシア戦争)
カリアスの和約
ペロポネソス戦争への介入
クナクサの戦い
「大王の和約」
「大総督反乱」
エジプトの独立と再征服
アレクサンドロスによる東方遠征
地上世界の統治者と辺境の住民
第2章 スパルタ——その神話と実像(長谷川岳男)
テルモピュライの戦い
スパルタの幻影
スパルタの成立
社会の形成
対外勢力の拡大
アテナイの台頭と対立
ペロポネソス戦争
絶頂からの転落
衰退要因としての女性
転落の軌跡
最後の輝き
残照
スパルタの実像
第3章 アテナイ——民主主義,文化・芸術の都(師尾晶子)
アテナイの遺産
「ギリシアの学校」アテナイ
ポリスアテナイの成立とその領域
民主政への歩み
民主政運営の仕組み
アッティカの住民構成
アテナイの経済——交易と貨幣
交易ルートの開拓
貨幣(硬貨)の鋳造と流通
ペイライエウス港の開発
デロス同盟の結成
デロス同盟下のアテナイの対外政策——民主政と「帝国」
前4世紀のアテナイ
ヘレニズム時代のアテナイ
アテナイ民主政をめぐる言説とその受容
第4章 古代ギリシアの宗教——神々と人間のコミュニケーション(齋藤貴弘)
古代ギリシアにおける「宗教」の捉え方
「古代ギリシアの宗教」の一般的性格
神々と人間
神々の体系——パンテオン
神域・神殿・神官
供犠
誓い・奉納
神託・占い
秘儀
穢れと浄め
魔術・呪い
ライフサイクル・ジェンダー・家族
ポリス共同体と宗教
歴史的展開
第5章 マケドニア——バルカンの「巨人」(澤田典子)
「英雄」アレクサンドロス
ヴェルギナの発掘
マケドニアの建国伝説
ギリシア世界への参入
貨幣から見るマケドニアの歴史
フィリポス2世のギリシア征服
なぜマケドニアはギリシアを征服できたのか
現代の「マケドニア」
第6章 プトレマイオス朝エジプトとヘレニズム世界——交錯する権力・伝統・文化(高橋亮介)
アレクサンドロスの東方遠征とヘレニズム世界の成立
プトレマイオス1世から3世
プトレマイオス朝の支配イデオロギー
エジプト支配の特徴
ファイユーム地方の開発
プトレマイオス4世
プトレマイオス5世
プトレマイオス6世と8世
2世紀の領域部——弛緩と統制
プトレマイオス9世,プトレマイオス10世と母クレオパトラ3世
プトレマイオス11世からクレオパトラ7世,そして滅亡へ
ローマ帝国に受け継がれたもの
第7章 ギリシアの連邦——創意に満ちた共同体(岸本廣大)
連邦を表す古典ギリシア語
現代の連邦との比較
連邦の基盤となった集団
古典期のボイオティア連邦
ヘレニズム時代のアイトリア連邦とアカイア連邦
議会の開催場所
アカイア連邦の議会と公職者
アイトリア連邦の議会と公職者
ボイオティア連邦の議会と公職者
連邦における市民権
連邦における争いの解決
連邦と加盟ポリスの独特な関係
第Ⅱ部 ローマ
第8章 ローマ帝国の形成——西洋型帝国の原型(長谷川岳男)
東西の帝国
ローマの誕生
共和政
身分闘争
ラティウム支配の安定
イタリアの統一
西地中海世界の覇者へ
ヘレニズム世界への進出
地中海制覇の完成
「正当な」戦争?
ローマ社会の攻撃性
弱肉強食の地中海世界
帝政への道——内乱の1世紀
帝国の変質
第9章 元首政期——皇帝を通して見るローマ帝国(志内一興)
古代地中海世界と「皇帝」の登場
内乱の勝者「オクタウィアヌス」
「オクタウィアヌス」の皇帝即位?
皇帝の権力——ローマ皇帝とは何か?
アウグストゥスによる「帝政」体制の完成
ユリウス・クラウディウス朝の皇帝たち⑴——ティベリウス
ユリウス・クラウディウス朝の皇帝たち⑵——ガイウス
ユリウス・クラウディウス朝の皇帝たち⑶——クラウディウス
ユリウス・クラウディウス朝の終焉とフラウィウス朝の創始
五賢帝の時代——人類が最も幸福だった時代
皇帝とは何か——別の視点からながめる
2世紀のローマ帝国——ペルティナクス
セウェルス朝の創始
「アントニヌス勅法」,そしてあらたな時代へ
第10章 属 州——帝国西部の地方社会(長谷川 敬)
属州を学ぶ意義
ガリア
ヒスパニア
ブリタンニア
名望家層の野心
商工業者たちの絆
ライン辺境のローマ軍——駐屯状況
地域社会との交わり
属州の「ローマ化」について
第11章 ローマの経済——食料の生産・輸送・消費(池口 守)
古代経済史論争とローマ農業史研究
大農園経営とウィラ
奴隷制農園とラティフンディア
ブドウ・オリーブの栽培
穀物と豆類の栽培
ブタの飼育と豚肉
ウシ,ヒツジ,ヤギの飼育と利用
パスティオ・ウィラティカと水産業
食糧の輸送
港湾の整備
食習慣
学際的ローマ経済史研究の進展
第12章 ローマの社会——語学のテキストで悪口と借金を学ぶ社会(樋脇博敏)
『偽ドシテウスのヘルメネウマタ』
「会話表現集」
人をののしる——人の種別
警察
法廷
金を借りる——貸金業
生活レベル
社会保障
「自助」の社会
第13章 ローマ帝国の衰亡と「古代末期」の気候変動——気まぐれな自然が蝕んだ帝国の回復力(南雲泰輔)
ローマ帝国の変容——「古代末期」
ローマ帝国衰亡論と気候の歴史
ローマ気候最適期とその終焉
アントニヌスの疫病——165〜180年
キュプリアヌスの疫病——249〜270年
古代末期小氷期の到来とユスティニアヌスの疫病——541〜749年
「古代末期」世界から中世世界へ
第14章 ギリシア・ローマ世界のサヴァイヴァル——なぜその叡智は我々に伝わったのか(長谷川岳男)
現代に残る古代ギリシア・ローマ
古典古代文化(フマニタスhumanitas)の形成
キリスト教世界の中心としてのローマ
建築物の運命
古代の叡智のゆくえ
西欧の状況
ビザンツ世界
ペルシア・イスラーム世界
西洋文明におけるフマニタスのゆくえ
西洋古代史年表
索 引