はじめに
序 章 日本航空研究の意義と概要
第一節 研究の意義と主要概念の整理
(一)本書の目的
(二)主要概念の整理
第二節 先行研究・研究資料と「包括的・論理的な説明の枠組み」
(一)本書における研究論文・研究資料の位置づけ
(二)材料・素材としての研究論文・研究資料
第三節 本書の概要と結論
(一)「包括的・論理的な説明の枠組み」の構築
(二)モノ・カネ・ヒトの効用的活用
(三)四つの課題に答えること
第一章 日本航空の破綻と再生に関する先行研究
第一節「外的要因」に関する指摘
(一)イベント・リスク
(二)政権交代
(三)為替の変動
(四)燃油価格の乱高下
(五)機材の市場価格
(六)政府・政党の経営への関与
(七)民営化と規制緩和
(八)公租公課
第二節「内的要因」に関する指摘
(一)一九八〇年代中盤~九〇年代末までの問題事象に関する具体的指摘
(二)一九九〇年代末以降の問題事象に関する具体的指摘
(三)経営全般に関する一般的指摘
第二章 「包括的・論理的な説明の枠組み」の構築
第一節 具体的指摘の括り直し
(一)一九九〇年代末までの具体的指摘についての検討
(二)「機材管理」「財務管理」に関する指摘
(三)「戦略」「その他管理」に関する指摘
(四)一九九〇年代末以降の具体的指摘についての検討
(五)「機材管理」「財務管理」「労務管理」に関する指摘
(六)「戦略」に関する指摘
第二節 具体的指摘の特徴に関する検討
(一)四つの特徴
(二)分類概念としての「モノ」「カネ」「ヒト」
第三節 情報概念としての「経営哲学」
(一)価値前提と事実前提
(二)価値前提としての「経営層の基本姿勢」
(三)価値前提としての「組織体質」
第四節 破綻前JALにおける「経営哲学の特性」
(一)一般的指摘と「経営層の基本姿勢」
(二)一般的指摘と「組織体質」
(三)短期志向、責任転嫁、対話軽視
(四)一般的指摘における方法論上の問題
第三章 モノの効率的活用とロードファクターの推移
第一節 ロードファクター(座席利用率)の推移
(一)有効座席キロ(ASK)と有償旅客キロ(RPK)
(二)五つの時代区分
第二節 一九八〇年代中盤~一九八九年度
(一)競争激化と路線の拡充
(二)機材の大型化と実収単価
(三)為替差損の非計上と機材簿価
第三節 一九九〇年度~一九九六年度
(一)関空開港と路線の拡充
(二)大型機材の導入と実収単価の推移
(三)レバレッジド・リースによる費用の先送り
(四)機材関連報奨額による費用の先送り
(五)減価償却期間変更による費用の先送り
第四節 一九九七年度~二〇〇〇年度
(一)路線の精査と羽田空港の発着枠
(二)機材構成の適正化と旧型機材の退役
(三)問題の先送りと潜在的な負の影響
第五節 二〇〇一年度~二〇〇五年度
(一)JAL=JAS統合の経緯
(二)統合計画における路線の拡充・統廃合
(三)統合計画における機材効率化
(四)二〇〇五年度までの「路線の精査」
(五)二〇〇五年度までの「機材構成の適正化」
(六)有効座席キロと座席利用率の推移
(七)モノの効率的活用における「構造的問題」
第六節 二〇〇六年度~二〇一〇年一月の破綻まで
(一)「構造的問題」を意識したアクションの始動
(二)路線の拡充・精査と政治的影響
(三)機材構成の適正化とB747-400の退役
(四)座席利用率の改善
第四章 カネの効率的活用と有利子負債の推移
第一節 有利子負債残高の推移
(一)有利子負債残高とは
(二)四つの時代区分
第二節 一九八〇年代中盤~一九九三年度
(一)完全民営化と「資金調達コストの削減」
(二)高格付けと社債の大量発行
(三)政府系金融機関からの借入
(四)支払利息と「インタレスト・カバレッジ・レシオ」の推移
(五)営業CFと事業の多角化
(六)先物為替予約の失敗と曖昧な責任の所在
第三節 一九九四年度~二〇〇〇年度
(一)機材投資の抑制と有利子負債残高の減少
(二)経営立て直しの試み
(三)経営責任の明確化と内部対立
(四)日本型レバレッジド・リースと所有権移転外ファイナンス・リース取引
第四節 二〇〇一年度~二〇〇五年度
(一)財務・投資・営業活動の悪循環と莫大な有利子負債残高
(二)JASとの経営統合と営業CFの改善
(三)前提シナリオの検討
第五節 ANAの組織改革とJALにおける責任の所在
(一)危機意識の共有と大橋洋治氏のリーダーシップ
(二)労働対価の削減
(三)路線の精査と機材構成の適正化
(四)ANAとJJグループの比較
(五)JALにおける経営責任の所在
第六節 二〇〇六年度~二〇一〇年一月の破綻まで
(一)財務・投資・営業活動の新たな循環と有利子負債残高の削減
(二)二〇〇六年六月の公募増資
(三)二〇〇八年二月の第三者割当増資
第五章 ヒトの効率的活用と売上高労働対価倍率の推移
第一節 売上高労働対価倍率の推移
(一)労働対価と旅客収入
(二)売上高労働対価倍率の構成指標の推移
第二節 一九八〇年代中盤~一九九一年度
(一)運航乗務員の増加と多角化戦略
(二)労使対立とガバナンスの迷走
第三節 一九九二年度~一九九九年度
(一)国際線有償旅客数の増加と実収単価の低下
(二)構造改革委員会による人件費の圧縮
第四節 二〇〇〇年度~二〇〇五年度
(一)経営統合と「ヒトの効率的活用」
(二)経営統合による人件費削減
(三)JAL=JAS統合と相乗効果の創出
(四)二社並置と労働組合の乱立
第五節 企業年金問題への対処
(一)退職給付会計の概要
(二)積立不足と代行返上
(三)ヒトの効率的活用における「構造的問題」
(四)キャッシュバランスプラン類似制度の導入
第六節 二〇〇六年度~二〇一〇年一月の破綻まで
(一)構造的問題を意識したアクションの始動
(二)人件費の圧縮と運航乗務員の報酬額引き下げ
(三)従業員モラールの向上
(四)JALIによるJALJ吸収
(五)労働組合の融和と組織風土の改革
(六)代行返上と退職給付関連制度の改定
(七)年金給付額の引き下げ
第六章 破綻の真因と経営哲学刷新の意義
第一節 JAL破綻の真因
(一)「モノ」「カネ」「ヒト」の動態的な関係
(二)JAL破綻の真因
第二節 西松遙氏による再生に向けての試み
(一)事実関係の整理
(二)西松氏の再生に向けての考え方
(三)西松氏による最後の仕事
(四)西松氏の取り組みに対する再評価
第三節 JAL再生(狭義)の理由
(一)事実関係の整理
(二)狭義の再生(再上場)に関する様々な説明
(三)西松体制と「経営層の基本姿勢」
(四)西松氏のリーダーシップ
第四節 JAL破綻と経営哲学の関係
(一)基本姿勢と組織体質の違い
(二)経営層の基本姿勢と構造的問題の鼎立化
(三)集合体としての経営層
第五節 JAL再生(広義)と経営哲学の関係
(一)中長期的・大局的に物事を考えること
(二)責任を前向きに引き受けること
(三)現場を重視しコミュニケーションをとること
結びにかえて
第一節 経営者のあるべき姿
第二節 五つの徳目と経営者の品格
(一)誠実さを貫くこと
(二)献身的であること
(三)熟慮すること
(四)挑戦すること
(五)共感すること
第三節 悲運をどう受け止めるか
(一)JAL再上場における批判的報道
(二)大海原を進む帆船
索 引