公認心理師の基本を学ぶテキスト
学習・言語心理学 8
支援のために知る「行動の変化」と「言葉の習得」
監:川畑 直人
監:大島 剛
著:郷式 徹
内容紹介
公認心理師のカリキュラムにおける科目「学習・言語心理学」では,「人の行動が変化する過程」と「言語の習得における機序」を学ぶこととされている。本書では,このカリキュラムに対応したテキストとして,成長の基盤としての学習過程と言語獲得の仕組み,およびその障害について解説する。学校,家庭,職場,地域社会などの現場で公認心理師としての役割を果たす上での土台となる基本的な知見を,わかりやすく伝える。
目次
公認心理師の基本を学ぶテキスト監修者の言葉
序 章 学習・言語心理学の概要と展望(郷式 徹)
1 学習の様々なレベルと言語習得
2 学習心理学と言語心理学の歴史
3 本書で取り上げる内容
第Ⅰ部 学習心理学
第1章古典的条件づけ──刺激と反応の新たな結びつき(郷式 徹)
1 学習とは
2 古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)とは
3 望ましくない古典的条件づけの形成
4 古典的条件づけの臨床的応用
コラム ジョセフ・ウォルピ(Wolpe, J.: 1915-1998)
第2章 道具的条件づけ──行動修正のメカニズムと実際(郷式 徹)
1 道具的条件づけ(オペラント条件づけ)とは
2 行動の制御
3 複雑な行動の形成
4 応用行動分析学
第3章 知識・概念の獲得と変容──人はどのように世界を知るようになるのか(山縣宏美)
1 知識・概念とは
2 素朴概念──子どもの持つ概念
3 知識・概念の獲得・変容過程
コラム 知識や知識獲得についての知識(認識論的信念)
第4章 学習と問題解決──日々の経験から何を学ぶのか(遠山紗矢香)
1 問題解決とは
2 問題解決による学習とその転移
3 問題解決を通じて学びの見通しを持つ
コラム 問題解決をさまたげるもの
第5章 社会や集団での学習──複数名で学ぶとはどういうことか(遠山紗矢香)
1 社会や集団の中で学ぶとはどういうことか
2 協働学習
3 協働場面の観察
コラム 問題解決経験を通じた大学生のインフォーマル学習
第6章 学習の熟達と身体化──言葉では言い表せない知識の獲得(安藤花恵)
1 学習の熟達
2 身体化
3 熟達者になるには
第7章 学習への動機づけ──内発と外発の統合による自律へ(伊田勝憲)
1 内発的動機づけと外発的動機づけ
2 自己決定理論のさらなる展開
3 認知と感情の両面から支える自律的動機づけ
第Ⅱ部 言語心理学
第8章 言葉の発生の基盤──言語はどこから来るのか(石井恒生)
1 言葉(言語)はどのように生まれるか
2 言葉を生み出す生物的機構
3 言葉を生み出す心理的機能
4 言葉を生み出す社会的環境
コラム 動物の「言葉」
第9章 話し言葉の発達──他者とのかかわりの中で発達する言語(古見文一)
1 話し言葉獲得の準備期
2 話し言葉の獲得と発達
3 話し言葉を支える社会性の発達
第10章 書き言葉の獲得──意味と記号をつなげるために(滝口圭子)
1 就学前後の子どもたちと文字の読み書き
2 就学前後の子どもたちと文章理解
3 就学前後の子どもたちと文章産出
コラム 外言からひとり言へ,ひとり言から内言へ
第11章 リテラシーと生涯発達──自己と世界を知りゆくための言葉(西垣順子)
1 リテラシーの水準
2 リテラシーを問い直す
3 生涯発達と書き言葉
第12章 第二言語・外国語の習得──複数の言語を学んで生きる(石王敦子)
1 バイリンガルとは
2 第二言語習得に影響を与える要因
3 2言語環境で育つ子どもたち
第Ⅲ部 学習と言語の障害
第13章 学習と言語の障害──教育現場での理解と支援のために(伊丹昌一)
1 障害について
2 学習の障害とその支援
3 言語の障害とその支援
索 引
ISBN:9784623085835
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:226ページ
。定価:2200円(本体)
。発行年月日:2019年04月
。発売日:2019年04月09日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM。