サピエンティア 27
正義の秤(スケール)
グローバル化する世界で政治空間を再想像すること
著:ナンシー・フレイザー
訳:向山 恭一
紙版
内容紹介
正義の秤=尺度をめぐる二つのイメージ。ひとつの難題は、再分配か、承認か、代表かという「なに」をめぐって競合する見解から生じる。もうひとつの困難は、領域化された市民か、グローバルな人類か、国境横断的なリスクの共同体かという「だれ」をめぐって対立するフレーム化から生じている。本書は、これらの難題をえぐり出しつつ批判理論化のもとで統合し、正義の理想を追究する。
目次
謝辞
第1章 正義の秤、天秤と地図──序論
第2章 グローバル化する世界で正義を再フレーム化すること
第3章 平等主義の二つのドグマ
第4章 変則的正義
第5章 公共圏の国境を横断すること──ポストウェストファリア的世界における世論の正統性と実効性について
第6章 フェミニズムの想像力を地図化すること──再分配から承認、そして代表へ
第7章 規律訓練からフレキシビリゼーションへ? ──グローバリゼーションの影のもとでフーコーを再読すること
第8章 グローバリゼーションにおける人類の脅威──二一世紀をめぐるアレント的考察
第9章 フレーム化の政治──ナンシー・フレイザーと語る(ケイト・ナッシュ、ヴィッキ・ベル)
註記
訳者あとがき
文献一覧
索引