叢書・ウニベルシタス 644
歴史と記憶
新装版
著:ジャック・ル・ゴフ
訳:立川 孝一
内容紹介
人はなぜ、またどのようにして歴史を意識するようになったのか。曖昧にされてきた「歴史」と「記憶」の区別、あるいは「過去/現在」「古代/近代」という歴史考察の基本的な対立概念の相互関係など、心性史の代表的な歴史家でありアナール派第三世代のリーダーでもあるル・ゴフによる、「歴史と歴史論の歴史」につての考察。
目次
フランス語版への序文(一九八八年)
イタリア語版への序文(一九八六年)
第一章 過去/現在
第一節 心理学における過去/現在の対立
第二節 言語学が照らしだす過去/現在
第三節 「野性の思考」における過去/現在
第四節 歴史意識における過去/現在についての一般的考察
第五節 古代ギリシアから一九世紀に至るヨーロッパ思想における過去/現在関係の変遷
第六節 過去の強迫概念、現在史、未来の魅力の間に挟まれた二〇世紀
第二章 古代/近代
第一節 西洋的で曖昧な対概念
第二節 この対概念における主役は近代である
第三節 古代の曖昧さ──ギリシア・ローマ的古代と他の古代
第四節 近代とそのライバルたち──《新しさ》と《進歩》
第五節 《古代/近代》と歴史──前産業期のヨーロッパにおける古代人と近代人の論争(六~一八世紀)
第六節 《古代/近代》と歴史──近代主義、近代化、近代性(一九~二〇世紀)
第七節 近代主義[近代性]の意味を明らかにする諸領域
第八節 近代主義[近代性]の自覚の歴史的諸条件
第九節 近代的なるものの曖昧さ
第三章 記憶
第一節 民族的記憶
第二節 口承から文字への記憶の発展──先史時代から古代へ
第三節 西洋中世における記憶
第四節 文字と図像による記憶の進歩──ルネサンスから現代まで
第五節 現代における記憶の大変動
結 論 拠り所としての記憶
第四章 歴史
第一節 歴史のパラドクスと曖昧さ
第二節 歴史心性──人間と過去
第三節 歴史哲学
第四節 科学としての歴史──歴史家という職業
第五節 歴史学の現在
訳者あとがき
参考文献
原註
ISBN:9784588099472
。出版社:法政大学出版局
。判型:4-6
。ページ数:400ページ
。定価:4800円(本体)
。発行年月日:2011年11月
。発売日:2011年11月25日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHA。