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叢書・ウニベルシタス 1073

うつむく眼

二〇世紀フランス思想における視覚の失墜

著:マーティン・ジェイ
他訳:亀井 大輔
他訳:神田 大輔

紙版

内容紹介

二〇世紀フランス思想は近代における視覚の覇権体制に反旗を翻した。絵画、写真、映画等々の視覚芸術から哲学、宗教、心理学、ジェンダーにいたる諸論点をめぐり、ベルクソン、サルトル、メルロ=ポンティ、レヴィナス、ラカン、フーコー、デリダらの思考が「反視覚」の一点において重なり合う圧倒的思想史にして、フランクフルト学派の研究で知られる著者の新展開を鮮烈に印象づけた記念碑的大著。

目次

  謝 辞

序 論
第1章 もっとも高貴な感覚──プラトンからデカルトにいたる視覚の変遷
第2章 啓蒙(EnLIGHTenment)の弁証法
第3章 視覚の旧体制の危機──印象主義者からベルクソンへ
第4章 眼の脱呪術化──バタイユとシュルレアリストたち
第5章 サルトル、メルロ=ポンティ、新しい視覚の存在論の探求
第6章 ラカン、アルチュセール、イデオロギーの鏡像的主体
第7章 眼差しの帝国からスペクタクルの社会へ──フーコーとドゥボール
第8章 死を呼び起こすもの(メメント・モリ)としてのカメラ──バルト、メッツ、『カイエ・デュ・シネマ』
第9章 「ファルス─ロゴス─視覚中心主義」──デリダとイリガライ
第10章 盲目の倫理とポストモダンの崇高──レヴィナスとリオタール
結 論

  訳者あとがき
  参考図版
  訳 註
  原 註
  事項索引
  人名索引

著者略歴

著:マーティン・ジェイ
(Martin Jay)
1944年生まれ。1977年ハーヴァード大学哲学博士(歴史学)。以来、カリフォルニア大学バークレー校でヨーロッパ思想史を担当。現在は同校教授。「フランクフルト学派」の「批判理論」の思想史的領野をアメリカからの視座で分析する研究を開始。のち、ヨーロッパ(とくにフランス)20世紀思想を「視覚の権威剥奪」の契機から読み解く思想史的分析などに研究対象を広げている。邦訳書に『弁証法的想像力』(みすず書房)、『マルクス主義と全体性』(国文社)、『アドルノ』(岩波現代文庫)、『永遠の亡命者たち』(新曜社)、『暴力の屈折』(岩波書店)、『力の場』、『世紀末社会主義』、『文化の意味論』(以上、小局刊)、編著に『ハーバーマスとアメリカ・フランクフルト学派』(青木書店)、『アメリカ批判理論の現在』(こうち書房)ほか。
他訳:亀井 大輔
1973年生まれ。立命館大学大学院文学研究科西洋哲学専攻博士後期課程修了。現在、立命館大学文学部准教授。フランス哲学・現代思想。共著に『終わりなきデリダ』(小局刊)ほか。
他訳:神田 大輔
1974年生まれ。立命館大学大学院文学研究科西洋哲学専攻博士後期課程修了。現在、立命館大学文学部非常勤講師。ドイツ哲学・現代思想。共著に『間文化性の哲学』(文理閣)。

ISBN:9784588010736
出版社:法政大学出版局
判型:4-6
ページ数:796ページ
価格:6400円(本体)
発行年月日:2017年12月
発売日:2017年12月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDH
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:1DDF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 4:1DDN