クレーンゲーム史年表
序章 なぜ今、クレーンゲームとメディア論なのか
序1 本書の目的
序2 研究背景
序2.1 日本のゲームセンターの「クレーンゲーム化」
序2.2 物質性への回帰というメディア研究の歩み
序3 研究対象
序3.1 クレーンゲームとは何か
序3.2 なぜクレーンゲームなのか
序4 研究の理論的枠組み
序4.1 クレーンゲームをメディアとして捉える可能性
序4.2 ゲームとしてのクレーンゲームとその限界
序4.3 メディアとしてのクレーンゲーム
序4.4 クレーンゲームのメディア論を記述すること
序5 方法と分析対象
序5.1 系譜学と考現学という方法
序5.2 分析対象
PART 1 歴史編
1章 クレーンゲームの創成期:20世紀初頭
1.1 クレーンゲームを可能にした近代的背景:19世紀後半~20世紀初頭におけるコイン式マシンの普及
1.1.1 近代における「機械化」及び「自動化」:コイン式マシンとその出現背景
1.1.2 近代コイン式マシンの間メディア的背景:オートマタ、ショーウィンドウ、ギャンブル、アーケード
1.2 1920年~1930年代における初期クレーンゲームの出現と普及
1.2.1 北米・西欧の状況:ディガー、クローとクレーンの成功
1.2.2 日本の状況:「ケーキクレーン」と呼ばれた菓子自動販賣機の成功
1.3 初期クレーンゲームにおける間メディア性
1.3.1 ミニチュア蒸気ショベル及びクレーンが作動する、ジオラマ的な性質
1.3.2 ガラスケースと景品から形成されるショーケース及びショーウィンドウ的な性質
1.3.3 自動販売機、ゲーム機とギャンブル機の中間的な性質1
1.3.4 自動販売機、ゲーム機とギャンブル機の中間的な性質2
1.3.5 自動販売機、ゲーム機とギャンブル機の中間的な性質3
1.3.6 自動販売機、ゲーム機とギャンブル機の中間的な性質4
1.4 クレーンゲームの系譜の鍵となる1920年代後半及び1930年代
2章 クレーンゲームの発展期:20世紀末
2.1 先行文献における戦後日本のクレーンゲーム史の再検討
2.1.1 1960年代後半と1970年代
2.1.2 1980年代後半とそれ以降
2.1.3 アーケードゲーム史におけるクレーンゲームの位置付け
2.2 ぬいぐるみキャッチャー流行の再検討
2.2.1 1980年代末~1990年代前半における普及状況
2.2.2 1980年代末~1990年代前半におけるそのユーザーと受容過程
2.2.3 1980年代末~1990年代前半におけるぬいぐるみキャッチャーの間メディア性
2.2.4 発展期としてのぬいぐるみキャッチャーの流行
PART 2 現在編
3章 クレーンゲームの成熟期
3.1 「定番化」するクレーンゲーム:1990年代以降
3.1.1 1990年代後半におけるアミューズメント業界の状況
3.1.2 ジャンル及び市場としての定着
3.2 「制度化」するクレーンゲーム:2000年代初頭
3.2.1 2001年風営法の「解釈運用基準」がもたらす明文化
3.2.2 プライズフェアの設立と景品の制度化
3.3 2000年代初頭のクレーンゲームの間メディア性
3.3.1 ハードウェアおよびソフトウェアとしてのクレーンゲーム
3.3.2 ディスプレイから見るクレーンゲームの間メディア性
3.3.3 成熟したメディアとしてのクレーンゲームの独自性
4章 都市空間におけるクレーンゲーム:機械・景品・施設の実態調査
4.1 現場を記録する調査方法
4.2 路面(ストリート)に遍在するクレーンゲーム
4.2.1 あらゆる店舗形態で見られるクレーンゲーム化
4.2.2 増補:2020年代初頭、さらに目立つクレーンゲーム化
4.3 機種と景品類から見るクレーンゲームの現状
4.3.1 クレーンゲーム機種の状況
4.3.2 景品類の状況1 一般状況
4.3.3 景品類の状況2 景品の都市的特性
4.4 遍在するクレーンゲームの都市空間
5章 クレーンゲームのコミュニケーション:不確かなメディア体験
5.1 調査方法
5.2 客・店員・キャラクター間におけるコミュニケーションの場
5.2.1 ゲームセンターのコミュニケーションノート・伝言・掲示板
5.2.2 キャラクター誕生祭とアニメ化の動員
5.3 クレーンゲームのデザインとその特徴
5.3.1 ゲーム/ショーケースのデザイナーとしての店員
5.3.2 店員の手によるプリミティブで不確かなデザイン
5.4 プレイにおける特徴
5.4.1 客への対応におけるクレーンゲーム担当員の役割
5.4.2 店員とプレイする:クレーンゲームプレイヤーの戦略と交渉
5.4.3 不確かなメディア体験としてのクレーンゲーム
PART 3 理論編
6章 メディアミックス論から見たクレーンゲーム
6.1 メディアミックスの定義と日本的な特殊性
6.1.1 メディアミックスという言葉の系譜と定義
6.1.2 類似概念との比較
6.1.3 起源と変遷
6.2 キャラクターの遍在化と都市空間におけるメディアミックス
6.2.1 キャラクターのメディア的性質
6.2.2 都市空間とモビリティのメディアミックス
6.3 メディアミックス論から見たクレーンゲーム
6.3.1 クレーンゲームのメディアミックス化
6.3.2 都市的メディアミックスに寄与するクレーンゲーム
6.3.3 メディアミックス論の限界
7章 間メディア論から見たクレーンゲーム
7.1 間メディア性という概念の起源と定義
7.1.1 概念としての出現背景
7.1.2 他の用語との比較
7.2 歴史的及び系譜的なアプローチを取る間メディア論
7.2.1 間メディア的な基軸、文化のシリーズとメディアの系譜学
7.2.2 メディア考古学とトポス
7.3 現在的なアプローチを取る間メディア論
7.3.1 言説的・物質的・制度的という3つの間メディア性
7.3.2 間メディア社会におけるコミュニケーション
7.4 間メディア論から見たクレーンゲーム
7.4.1 間メディア的な基軸から問い直したクレーンゲームの歴史
7.4.2 クレーンゲームのメディア系譜
7.4.3 クレーンゲームの間メディア性
8章 クレーンゲームと間メディア論のゆくえ
8.1 まとめ
8.1.1 先行研究におけるクレーンゲームの不在に答える
8.1.2 本書がもたらす答え
8.2 今後の課題:さらなる間メディア論に向けて
8.2.1 さらなるクレーンゲーム研究に向けて
8.2.2 さらなるアーケードゲーム研究に向けて
8.2.3 さらなる間メディア論に向けて