本書について
シンポジウム立ち上げの経緯
Column 「育つ者」の不安とワーク・ディスカッション(鬼頭智美)
Ⅰ 心理職の養成をめぐる課題
第1章 心理職を育てる困難――養成教育と現場を結ぶ実習教育の可能性(若佐美奈子)
1 次世代の心理職を育てること
2 大学・大学院教育における実習の現状と構造的課題
3 新しい臨床教育の構築に向けて――省察的実践とワーク・ディスカッションの応用
4 学生のこころを耕す安心感――教員がスモールステップを用意すること
第2章 「経験から学ぶ」実習教育プログラムとは(長谷綾子)
1 多職種協働の素地をどう耕すか
2 心理臨床と多職種協働
3 経験から学ぶ多職種協働――実習プログラムの設計
4 多職種協働の実践力を育むプログラム設計のプロセス
5 協働を学ぶ「場」をどう設定するか
6 「経験から学ぶ」循環と省察の仕組みづくり
7 実習の成果――経験から学ぶ協働の姿勢
8 多職種協働から学ぶ――心理職の「こころ」を耕すために
第3章 心理職を育てるワーク・ディスカッションという方法――成り立ちと背景にある考え方(橋本貴裕)
1 ロンドン留学での体験――「これが訓練?」と思うような楽しさ
2 ワーク・ディスカッションの起源と理論的背景
3 ワーク・ディスカッションの目的
4 ワーク・ディスカッションの諸要素
5 ワーク・ディスカッションの手法
6 ワーク・ディスカッションにおけるファシリテーターの役割
7 ワーク・ディスカッションにおけるコンテイニング機能
8 ワーク・ディスカッションの効果
第4章 なぜワーク・ディスカッションが日本の心理職教育に必要なのか(橋本貴裕)
1 学生の学びを支える場づくり――ワーク・ディスカッション導入の出発点
2 なぜ学生は沈黙するのか――初学者が抱える“語りにくさ”の構造
3 初学者の集団が陥りやすい「依存基底的想定」と事例検討会の課題
4 ワーク・ディスカッションはなぜ日本の初学者の学びを支えるのか
5 公認心理師養成大学院での実習プログラムとの適合性
6 ワーク・ディスカッションの三つの段階と能力開発
Ⅱ 実習教育におけるワーク・ディスカッション要素の取り入れ―試みとしての実践例―
第5章 [実践例1]病院実習の振り返りにおけるグループ・ディスカッション(長谷綾子)
1 実習科目を作り上げるプロセス
2 ワーク・ディスカッション要素の導入可能性
3 学部課程「心理実習」の実践例
4 大学院修士課程「心理実践実習」の振り返りとグループ・ディスカッションより
5 実践例を振り返る――ワーク・ディスカッションの効用可能性と限界
Column 「助けて」と言える心理職の養成(葉久紋菜)
第6章 [実践例2]学外実習の継続的な振り返りにおけるグループ・ディスカッション(若佐美奈子)
1 本学カリキュラムの特徴と学外実習方針
2 学部「心理実習」のGD
3 大学院「臨床心理地域実践実習」のGD
4 実習生同士が語り合うという教育の意義――アウトプットすること
5 大学院実習におけるGDの効果と課題――質的分析からみる学びのプロセス
おわりに
Column 対話の中で育った「考えを言葉にする力」(松下 和)
第7章 [実践例3]ワーク・ディスカッション導入の試み――その実践と工夫(橋本貴裕)
はじめに
1 ワーク・ディスカッションの実際
2 実証研究から見えるワーク・ディスカッションの体験
3 導入期に見られる初学者の心情
4 対話型鑑賞を導入に用いる意義
おわりに
Column 「安心して話せる」を体験する(青木幸乃)
Ⅲ これからの心理職養成・育成に向けて
第8章 若手教員によるワーク・ディスカッション導入の試み(林 秀樹)
はじめに
1 ワーク・ディスカッションとの出会い
2 ワーク・ディスカッションの導入
3 修了生のサポート
4 修了生を対象としたワーク・ディスカッション・グループ
5 私の取り組みについて
6 編著者の先生方の取り組みについて
おわりに
第9章 これからの心理職養成と育成――礎としての精神分析、精神分析訓練の礎(山崎孝明)
はじめに
1 心理職の基礎としての精神分析
2 精神分析の訓練とその困難
3 精神分析的実践にまつわる困難
4 精神分析を活用する――観光客、つまみ食い、POST、そして事例検討会
5 WDの特長――発信の訓練として
6 自助グループとしての事例検討会とWD
おわりに
第10章 心理職の養成における精神分析の寄与(鈴木菜実子)
はじめに――精神分析は心理職養成教育に何をもたらすのか
1 治療者である教員、教員である治療者
2 心理職養成課程における学びとは何か
3 精神分析的視点が教育に提供するもの――環境としての心理職養成
4 教員に求められる専門性――もう一つの現場として
5 精神分析のもたらすもの
特別寄稿1 臨床家はどのように育つのか――過去の傷つきからの学びと成長を支える(岩壁 茂)
はじめに
心理療法研究が示す訓練のあり方
臨床教育に潜む文化としてのイニシエーション
傷ついた癒やし手と臨床家の成長史
臨床家の自己を育てる教育
実習教育の試みが示す可能性
実習教育の課題
特別寄稿2 ワーク・ディスカッションについて考える(岡野憲一郎)
はじめに
私にとってのワーク・ディスカッション
フランス、アメリカでの体験
日本での体験
一つだけ「断り書き」
私の試み――「輪番制フォーマット」
おわりに――日本型WD(?)に向けて
おわりに
臨床教育は次世代への贈り物
編者による小さなワーク・ディスカッション
心理職の「こころ」を耕し、育むために