人生はユーモアと少しの毒で、より豊かになる。……たぶん。▼父の病院を継いだ医師・和久井ルナ。彼女のもとには、病院で投与されるワクチンの噂(うわさ)を耳にした多くの患者が訪れる。この病院のワクチン、とある病(やまい)を確実に治してしまうのだ。患者たちの多くは「いまのこれさえ治れば、きっと私の人生は変わる!」そう信じて病院のドアを押す。――しかし、病が快癒した患者たちに待っていたのは……。▼あがり症、嘘がつけない、といった病から外国人が苦手といった一風変わった病まで。病をかかえた患者たちの人生の明暗、機微を描ききった、クスリと笑える、ちょっぴりビターな連作短篇集。