本書のテーマは1972年にイギリスの物理学者ロジャー・ペンローズが考案した「ペンローズ・タイル」。一定の凸凹をつけた二種類のタイルのことで、これらを平面上に隙間なく並べたときには決して周期的にならないという特徴をもつ。そして近年になって、ペンローズ・タイルと同じパターンが、じつは15世紀のイスラム建築の装飾にすでに見られることが判明し、また自然界にも準結晶として発見され、大きく注目を集めるようになったのである。本書は、この人類が考案した最も美しい幾何学図形を、ペンローズ・タイルの起源である画家モウリッツ・エッシャーの描いた不思議絵の数々にも触れながら、わかりやすく解説する。ピタゴラスの五角形、黄金比、四次元の表現法、フラクタル図形など、最先端の数学の奥深さが、豊富な図版で視覚的に楽しめる一冊。