「ひとつの顔に、その人の過去も未来も宿らせる。それがルオーの描く顔だ。▼絵の人物が、ほとんど無表情のときにも、両目を閉じている場合にも、どんな人なのか、なにをしてきたのか、なにをしているのか、ぼんやりと伝えてしまう。ルオーの絵にあらわれた顔は、観る者の内へ内へと向かい、中心にそっとふれる。(中略)ルオーの批評眼は闇夜の懐中電灯のように、観る人の心を照らし出す。厳しい人だ、と感じる。けれど、つめたくない。だからおそろしい。」――本書「あとがき」より▼ルオーの描いた「顔」26点と、蜂飼耳による言葉。書き下ろしの詩とエッセイをおさめた、新しい形の詩画集。本を開いた人の心にいつまでもたゆたう静寂と、深い味わい。