夜の絵本
ルオーの贈り物
絵:ジョルジュ・ルオー
詩・文:蜂飼 耳
紙版
内容紹介
「ひとつの顔に、その人の過去も未来も宿らせる。それがルオーの描く顔だ。▼絵の人物が、ほとんど無表情のときにも、両目を閉じている場合にも、どんな人なのか、なにをしてきたのか、なにをしているのか、ぼんやりと伝えてしまう。ルオーの絵にあらわれた顔は、観る者の内へ内へと向かい、中心にそっとふれる。(中略)ルオーの批評眼は闇夜の懐中電灯のように、観る人の心を照らし出す。厳しい人だ、と感じる。けれど、つめたくない。だからおそろしい。」――本書「あとがき」より▼ルオーの描いた「顔」26点と、蜂飼耳による言葉。書き下ろしの詩とエッセイをおさめた、新しい形の詩画集。本を開いた人の心にいつまでもたゆたう静寂と、深い味わい。
目次
●梨の音 ●蓮の時間 ●鰐の池 ●鏡 ●真珠玉 ●奴隷 ●三角形 ●再会 ●透明な箱 ●故障中 ●猫に踏まれて ●雨乞い ●氷る駅