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PHP新書

誰も語らなかった中原中也

著:福島 泰樹

紙版

内容紹介

中原中也の葉書と肖像写真が発見された。宛先は宮崎県東臼杵郡東郷村、高森文夫。「君がゐなくなって僕は全く淋しいことだ」。中也がこの若き友に語った心の懊悩とは。没後半世紀以上を経て明かされた、詩人の知られざる素顔とは。中原中也が高森文夫に出会ったのは昭和六年雪降る宵であった。以後二人の友情の蜜月時代が始まり、中也はたびたび孤独の胸の内を友に語っている。一方で、宮本武蔵の「独行道」、本居宣長『直毘霊』を探求し、さらには芭蕉の生き様に思いを馳せていた。高森へ独自の取材を試みた著者が、求道者としての中也像を浮き彫りにしている。中也は宮本武蔵が剣一筋で生きたように、詩一筋に真剣勝負で短い生涯を生きたのだ。また、中也と小林秀雄との交友はよく知られているが、小林の記念碑的集大成『本居宣長』にも、若き日の詩人との交流が糸をひいていたように思われてならない、と著者は語る。生誕百年目に際し、新説を大胆に唱えた渾身の評伝。 

目次

●第一章 濫觴(らんしょう)! 中原中也 ――喪失、そして黙示の秘技 ●第二章 新説! 中原中也 ――武藝人 宮本武蔵への道 ●第三章 動乱! 中原中也 ――魂の危機を救ったものは…… ●第四章 発見! 中原中也 ――青春のように悲しかった ●第五章 哀傷! 中原中也 ――芭蕉、蛙声の意味するもの

ISBN:9784569692531
出版社:PHP研究所
判型:新書
ページ数:320ページ
定価:800円(本体)
発行年月日:2007年05月
発売日:2007年05月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ