魔――いつの間にか忍び寄ってきて、超能力的な強い力を働かせ、きっと災いをもたらすのではないかと思われる不可思議なるもの。そんな魔の出来事が、今の世にも起こっているように、江戸の人々の生活の中にも起こっていました。▼伊豆山中の妖怪の話、赤と青の火の玉の話、白髪の美女の話、胎内で聞いた話、大うなぎの不思議な話、狐の駕籠賃の話、大黒様出現の話などなど。だが、これらは、「四谷怪談」や「牡丹灯籠」のように誰かが創作した作り話ではありません。実際にあった24の実話を書き留めたものなのです。▼なかには、「江戸時代は知識水準が低かったから、そんな出来事を考え出したのだろう」と思われたり、また「世に科学で解明できないことなどない」と考える方がいるかもしれません。しかし、この世の中に、科学だけでは解明できない、不可解で不気味な出来事は絶えません。この本は、そんな不思議大好きな方々を「魔の棲み家」へご招待するものです。