1966年、寺田寿男と千代乃の夫婦が2トントラック3台ではじめた運送業が、いまや1,500台を超えるトラックを有する引越業最大手の優良企業に。しかも「コンテナ輸送」「奥様荷造りご無用」「走る殺虫サービス」「レディースパック」などのアイデアは業界のスタンダードになった。▼わが国で初めて「引越専業」というビジネスを創造した寺田夫妻とはいったい何者か。著者はいう。「ヒロインを演じたのが千代乃なら、寿男は演出家であった」と。▼引越はサービス業であり、苦情はアイデアの宝庫ととらえ、常に主婦のセンスを忘れない「消費者の目線」を大切にしてきた寺田夫妻の経営の軌跡を追ったのが本書である。▼ただ、夫婦だけでは会社は成長しない。その点、「従業員は家族だから教育も厳しくする」「新入社員のアイデアもよければ採用する」「親子二代が働く職場を目指す」など、全員野球の経営こそがアート引越センターの真髄でもある。