天孫降臨神話――それは、天照大神の孫である天津彦彦火瓊瓊杵尊が高天原から日向(宮崎県)の高千穂峰に舞い降りてきたという話である。しかし、なぜ宮崎県だったのだろうか? 単に大和朝廷の権威を示すというだけだったら、はじめから大和地方に降臨すればよい話であり、なぜ輝ける皇祖神の第一歩を、当時「夷狄」の地方とされていた南部九州にもっていく必要があったのか?▼筆者はここに九州地方の勢力と、大和地方の勢力との相克関係を見抜く。中国の魏に朝貢した、邪馬台国の「卑弥呼」は九州地方にいた。そしてそれを打倒するために大和より派遣された「台与(トヨ)」が、朝鮮南部の勢力と結んで邪馬台国を滅ぼす。しかしやがて、台与も裏切られていく。その台与の事跡は神功皇后の伝説へと昇華していき…。▼気鋭の歴史作家が、日本書紀の神話、各地に残った伝承、考古学の発見から、複雑に重なり合った歴史の真実を抉り出す。歴史ファン必読の書!