日本の政治や社会構造、日本人の精神性とは、そもそもどのような流れを汲むものなのか。 「十七条の憲法」以来、数多くの制度や思想が浸潤し、この国を導いてきた。その中より、これぞ日本人、と思われる名句名辞百篇を選び、解釈と鑑賞を試みたのが本書である。▼「和なるを以て貴し」「日出ズル処ノ天子」から「御成敗式目」「楽市楽座」「下剋上」、さらには「天下の町人」「富国強兵」「和魂洋才」「今日は帝劇」「バスに乗り遅れるな」等々。日本史上の制度からスローガンまで、そのフレーズがいつ頃から使われ始めたのか、出典にもあたり、谷沢流の人間観、歴史観の精髄を伝える。そこから、日本という国の独自性が見えてくるのである。▼すなわち、万世一系の連続性、独立を失って他に屈したことがない歴史、倒した徳川政権の負債を明治政府は全額皆済した事実、新政権樹立のため明治政府はどこからも借金しなかった、等々。歴史の味わいが深まる書である。