著者は精神科の一開業医として、主にビジネスマンのメンタルケアに従事している。昨今、大リストラ時代による企業戦士たちの来院が増えている。そこで気づくことは、企業で働く人々がいかに「勝ち負け」にこだわり、精神的に病んでいるかということだ。 本書では、競争社会で疲弊するビジネスマンが、組織の価値観だけに染まらず、いかに人生を豊にするかを説いている。 まず著者は、人生には会社、家庭、地域のトライアングルバランスが大切だと説く。そして、なぜ「勝ち負け」の論理に巻き込まれてしまうのか、その構造を解明する。 とりわけこれからの時代、地域社会への参加、NOP的発想が大切なのだ。 著者の哲学の基礎は、かつて国際協力事業団の医師としてペルーに渡った体験にある。人間にとって本当に大切なものは、決して会社の論理では説明できない。 辞める組織、家族、人間関係の根本を問い直し、ゆったり、豊かに生きるヒントを著した好エッセイ。