今日の太平洋は、世界最多の人口、世界最大の国土面積、世界最先端の工業、そして世界最強の軍隊を有する国々が向かい合う世界の中心となりつつある。しかし、かつては、極東とアメリカの西のフロンティアの間に拡がる広大な空間に過ぎなかった。本書は、この大海原に乗り出していったアメリカ人の壮大な歴史物語である。 著者は、故・ライシャワー教授に師事した知日派であり、日米関係・北太平洋国際関係史に多大の貢献を成し、また、日米関係にも重要な足跡を残している。1991年には、その貢献に対し、勲三等瑞宝章が授与された。 本書がユニークなのは、アメリカには一貫した太平洋政策があったのではなく、実業家、冒険家、軍人などの成功と失敗の積み重ねが、結果としてアメリカの今日の太平洋での地位を築いたと考えていることだ。 今日、環太平洋文明が唱えられ、太平洋の新しい時代が模索されている。その原点を考える意味で必読の書といえよう。