若年就業者の組織適応
リアリティ・ショックからの成長
著:尾形 真実哉
内容紹介
企業の活力を維持し、永続させるために重要なのは、若手の社員を雇い彼らに活躍してもらうことである。若年人口が減りつつあり、また、終身雇用・年功序列が崩れつつある現在、その能力は、企業にとって非常に重要なものとなる。しかし若年就業者の組織への適応に関する研究はあまりなされてこなかった。
本書は、若年就業者が、入社前に想像で描いていた働き方と入社後の実際との落差による「リアリティ・ショック」を乗り越え、いかに組織に適応し、一人前の人材に発達していくのかを捉えると同時に、若年就業者に対する組織や職場の働きかけ、さらには若年就業者自身の行動にも焦点を当て、若年就業者を円滑に組織に適応させるための、
・若年就業者の組織適応課題は何か
・どのようなサポートや職場環境を必要としているのか
・どのような行動が個人をうまく組織に適応させるのか
というような疑問に答える。
また、本書の特徴として、リアリティ・ショックの多様性やポジティブ・サプライズ、2年目の憂鬱などオリジナルの発見事実や概念を見出したことが挙げられる。
高度な研究書ではあるが、読みやすい筆致でまとめられているのとともに、実践的な含意はもちろん、個々のケースの記述など、実務に携わる人事担当者には参考になるところが多いだろう。
目次
第I部 研究の目的と方法
第1章 本書の目的と構成
第2章 先行研究
第II部 組織適応初期の心理現象と課題
第3章 リアリティ・ショック
第4章 ポジティブ・サプライズ
第5章 見過ごされてきた適応課題:キャリア初期に着目して
第III部 組織適応の促進要因I
第6章 リアリティ・ショック解消サポート
第7章 リアリティ・ショックへの実践的対処
第IV部 組織適応の促進要因II
第8章 組織適応エージェント
第9章 プロアクティブ行動
第10章 プロアクティブ行動を喚起する要因
第11章 組織適応に影響を与える環境要因
第12章 結論と提言
補論 組織社会化研究を俯瞰する