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福祉国家

救貧法の時代からポスト工業社会へ

著:デイヴィッド・ガーランド
訳:小田 透

紙版

内容紹介

エスピン=アンデルセン激賞

 工業化された世界で、公的支出のかなりの部分を吸収する高度な福祉国家装置を持ち合わせていない国家は存在しない。
 他方、福祉国家は多様な形態を取り、給付の手広さや手厚さには幅がある。
 それゆえ、福祉国家の存在はあらゆる先進社会の特徴であるにもかかわらず、その全容は判然としない。
 これに加えて、財源や税金をめぐり常に政治的に争点化されているため、左右両極でその像が大きく引き裂かれている。
 本書は、救貧法の時代からポスト工業社会までの歴史を辿り、その多様な形態(社会民主主義的レジーム・保守主義的レジーム・自由主義的レジーム)をまず確認する。その上で給付のあり方(社会保険・社会扶助・ソーシャルワークなど)をおさえるのが特長だ。
 そこで浮かび上がるのは、福祉国家が貧困層より中間層を優遇するシステムであるということである。
 この点は、福祉国家が猛攻撃を受けたサッチャーとレーガンの「ニューライトの時代」も変わらなかったという。「ウェルフェア」から「ワークフェア」へ、福祉国家はいかに変容するのか? 入門書の決定版!

著者略歴

著:デイヴィッド・ガーランド
1955年生まれ。1984年にエディンバラ大学で博士号(社会=法研究)を取得。現在、ニューヨーク大学教授。国際的で学際的な学術雑誌「処罰と社会」の創刊編集者。著書に『処罰と福祉――刑罰戦略の歴史Punishment and Welfare: A History of Penal Strategies』 (1985)、『処罰と近代社会―――社会理論の研究 Punishment and Modern Society: A Study in Social Theory 』(1990;邦訳2016年、現代人文社)、『統制の文化――現代社会における犯罪と社会秩序 The Culture of Control: Crime and Social Order in Contemporary Society』 (2001)、『奇妙な制度――死刑廃止時代におけるアメリカの死刑 and Peculiar Institution: America's Death Penalty in an Age of Abolition 』(2010)がある。

ISBN:9784560098608
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:234ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2021年08月
発売日:2021年08月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS