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鉄のカーテン 上

東欧の壊滅1944-56

著:アン・アプルボーム
訳:山崎 博康

紙版

内容紹介

鉄のカーテン 東欧の壊滅1944─56(上・下)

冷戦終結30年にして明かされる「全体主義」の実態

 本書は、第二次世界大戦の終結から、スターリンの死、ハンガリー革命に至るまでの時代に、ソ連がいかに東欧諸国(主に東独、ポーランド、ハンガリー)を勢力下に収め、支配していったのか、そして各国がいかに受容し、忌避し、抵抗していったのか、その実態をテーマ毎に論じた力作だ。それぞれ多様な国情、特殊性を掘り下げることによって、ソ連支配の方法と各国の抵抗の姿がまざまざと見えてくる。
 政治指導者を中心とした大きな物語だけにとどまらず、各国の当局や市民、労働者の本音にも目を配り、「鳥の眼・虫の眼」で対象を捉えている。支配と被支配、体制と反体制の二元論ではなく、「面従腹背」の構造にも着目し、したたかで、人間臭い側面も興味深い。
 本書は、著者が『グラーグ ソ連集中収容所の歴史』(ピュリツァー賞受賞)で示した問題意識を東欧に移し、その「全体主義」の実態を暴いた現代史だ。その一方で、ポスト冷戦期を支えた価値観が揺らいでいる現在にあって、「警鐘」としても受け止められるものだ。全米図書賞最終候補作品。アントニー・ビーヴァー推薦。口絵写真多数収録。

著者略歴

著:アン・アプルボーム
1964年生まれ。米国出身の歴史家、ジャーナリスト。『ワシントン・ポスト』のコラムニスト。『グラーグ ソ連集中収容所の歴史』(白水社)でピュリツァー賞受賞。本書で全米図書賞の最終候補、クンディル歴史賞受賞。
訳:山崎 博康
1948年、千葉県生まれ。東京外国語大学卒業、共同通信社入社。ワルシャワ支局長、モスクワ支局長を歴任。現在、共同通信社客員論説委員。法政大学非常勤講師。主要著書:『東欧革命』(岩波新書、共著)、主要訳書:『新しい東欧』(共同通信社、共訳)、『東欧革命1989』(共訳)『スターリンの子供たち』『ヒトラーが寵愛した銀幕の女王』(以上、白水社)。

ISBN:9784560096789
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:408ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2019年02月
発売日:2019年02月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1DFG