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楮(こうぞ)・三椏(みつまた)

著:田中求
著:宍倉佐敏
著:冨樫朗

紙版

内容紹介

大学で教鞭をとりながら和紙の里の高知県いの町柳野でコウゾ・ミツマタを実際にも栽培している大学教授と、50年間和紙に使われた繊維を分析調査することで、古代から現代まで古典籍・古文書に使われているあらゆる和紙の製造技法と使われた植物繊維の特徴を解明してきた製紙会社研究員(和紙の鑑定士)を中心的な著者に得て、和紙の原料であるコウゾ・ミツマタ・ガンピの栽培と和紙への利用をまとめた。

目次

カラー口絵
はじめに
1章 植物としての特徴
学名・形状・分類・原産地と来歴・楮繊維の特徴
 コウゾ(楮) ミツマタ(三椏) ガンピ(雁皮)
2章 和紙―植物繊維利用
植物繊維と和紙
和紙の特徴
和紙と洋紙の違い
流し漉きの優位性
ガンピの利用とトロロアオイ、ノリウツギ
手漉きと機械漉き
原料になる植物繊維
ワタ/コウゾ/苧麻(ちょま、ラミー、カラムシ)/亜麻(リネン)/大麻/黄麻(ジュート)/針葉樹/広葉樹/マニラ麻/バナナ/稲ワラ/ワラ紙の歴史/麦ワラ/エスパルト/アシ/タケ 
和紙の製法
初期の和紙原料と製法
和紙製造の基本工程
溜め漉き
半流し漉き
流し漉き
紙漉重宝記と現代の手漉き和紙法
紙を加工する技術 (打ち紙 米粉 ドーサ処理 染色 補強法)
囲み 手で紙を漉いてみる

3章 使われた原料からみた和紙の歴史
植物繊維の利用と紙の発明
衣料から紙へ
古典籍・古文書の「料紙調査」とは何か
蔡倫と紙漉き法
紙の日本への伝来
古代の古典籍・古文書の紙
律【史料の性格】【所見】
延喜式 正倉院流出文書 大蔵経 荼毘紙 百万塔陀羅尼
中世の古典籍・古文書の紙
扶桑略記 六波羅探題御教書 平宗盛書状 金沢貞顕書状 戦国武将と紙
近世の古典籍・古文書の紙
檀紙 奉書紙 杉原紙 藩札・私札  わら紙
近代の古典籍・古文書
明治初期の切手の素材
奉書紙
昭和初期の各省庁で使われた事務用紙の特徴
現代の和紙利用

4章 各地の和紙と植物繊維の利用
各地の和紙
吉野紙/芭蕉紙/局紙/箔合紙/土佐典具帖紙/精光箋/麻紙/出雲民芸紙/鳥の子紙/箔打原紙/泥間似合/世界遺産認定の和紙(石州半紙・本美濃紙・細川紙)
原料による和紙の違い
原料としてのコウゾ・ミツマタ・ガンピの特性
ミツマタ・ガンピでつくる高級紙
植物繊維の利用

5章 栽培
コウゾを栽培する
 原料としての質を追求する栽培を
 産地と栽培適地
 品種とその特徴
 栽培方法
  農事暦/枝を伸ばす/枝の靱皮繊維/枝の伸び/枝の剪定/枝を伸ばすための施肥
    除草/苗木とその育成/収穫/蒸し剥ぎなど加工方法/病虫害対策
ミツマタを栽培する
ガンピを栽培する

6章 紙を漉く
写真構成 紙を漉く
紙漉きの原理と工程
繊維化=原木から白皮までの白皮加工
白皮を漉く紙漉き(紙漉き工程)
煮熟/さらし/ちりとり/叩解/

ISBN:9784540171154
出版社:農山漁村文化協会
判型:B5
ページ数:152ページ
定価:3000円(本体)
発売日:2018年05月28日