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不安のありか

著:平島 奈津子

紙版

内容紹介

痛くて苦しいこの感じ、みんな持ってるものだったんですね。
                   ――脚本家 木皿泉
「私のこの不安は健康なものなのか、病的なものなのか……」
そんなふうに考えたことはありませんか

本書では、実際の臨床ケースや映画・ドラマなどのフィクションを題材に、精神分析的な視点で、誰もがもつ身近な感情としての不安から、さまざまな不安症の治療までがきわめてやさしく解説されています。

目次

第1章 健康な不安、病的な不安

    心的防衛と病的な不安
    ストレスと不安
    不安信号の誤作動
    不安は伝染する
    女性の不安、男性の不安
    不安と恐怖
    精神の正常と異常

第2章 不安を投影する社会

    テロリズムと恐怖
    いじめの構造
    疑似恐怖という名の快楽
    攻撃者との同一化
    ニュース番組の娯楽化

第3章 パニック症と広場恐怖症

    不安の起源
    パニック発作と予期不安
    パニック症の診断
    パニック症の原因論
    広場恐怖症と閉所恐怖症
    パニック症の予防とセルフケア
    パニック症の薬物療法
    広場恐怖症を伴ったパニック症の行動療法
    不安と怒り
    他の精神的な病気との併存
    高齢者のパニック症

第4章 不安の身体化

    不安等価症
    身体言語としての症状
    象徴的な身体化
    疾病利得
    ヒステリーは差別用語?
    転換性障害(変換症)
    神経症と心身症
    心的外傷(トラウマ)と身体化
    美しさの深層心理

第5章 健康不安と疾病恐怖

    医者の不養生
    身体症状症
    病気不安症
    身体からの警告
    疾病恐怖症
    主観的な健康感と客観的な健康感

第6章 社交不安症と対人恐怖

    社交不安症の診断
    更年期症状と社交恐怖
    「あるがまま」を受け入れる
    社交不安症の薬物療法
    対人恐怖症とTaijin kyofusho
    忖度と日本文化
    人見知り不安と人に見知られる不安
    パーソナリティ別「人が恐い」の心理

第7章 心的外傷(トラウマ)と不安

    心的外傷(トラウマ)と不安
    心的外傷と罪悪感
    恥と罪悪感
    怒り、敵意、憎しみ
    心的外傷と沈黙
    心的外傷後ストレス症の診断
    心的外傷の疾病化
    疾病化の予防と治療
    心的外傷後成長
    心的かすり傷の勧め

第8章 全般不安症と日常生活の中の不安

    全般不安症の診断と治療
    不眠恐怖
    肥満恐怖とやせ礼賛
    妊娠・出産をめぐる不安


    あとがき

著者略歴

著:平島 奈津子
国際医療福祉大学三田病院精神科 病院教授

ISBN:9784535983915
出版社:日本評論社
判型:4-6
ページ数:208ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ