出版社を探す

こころの科学増刊

心理臨床と政治

編:信田 さよ子
編:東畑 開人

紙版

内容紹介

現場を通して見える社会構造、心理士を動かす力関係。様々なテーマで現状を捉え、心理臨床の世界に潜む「政治的なこと」に迫る。

目次

*序 論
 心と政治――「善く生きること」についての二つのまなざし………東畑開人 1
*家族の暴力を生みだす社会
 暴力の理解とDV加害者臨床――ソーシャルレスポンスの観点から………高橋郁絵 26
 加害の地図を描く――DVに作用する男性性を可視化する臨床実践………西井 開 36
 「ケアの倫理」から考える、家族と国家………岡野八代 44
 母の愛は政治的である――母娘問題のこれまでとこれから………信田さよ子 52
*臨床と権力のつながり
 行政のなかの心理職――なごや子ども応援委員会の取り組みから………川岸晃子・篠田真希・廣田希代子・見並ひろか 62
 権力の暴力とケア――児童相談所の一時保護をめぐって………阿久津航太 70
 心理職の価値を高めるために、我々が政治的にやるべきこと――研究およびパブリック・アフェアーズの観点から………末木 新 78
 臨床心理学と政治――日本臨床心理学会の一九七〇年代を振り返る………堀 智久 86
*心理臨床家をとりまく力学 
 国家資格の力学――行政、アカデミズム、権力………下山晴彦 94
 学派たちの政治………山崎孝明 104
 精神分析とフェミニズム、そして臨床心理学へ………西見奈子 117
 SNSよ、こころを掻き乱さないでくれ………日野 映 124
 私たちの仕事とくらしを守る――心理職ユニオンからの提案………心理職ユニオン 133
 被害の語りと心理学――セラピー文化のポリティクス………小池 靖 141
*対人援助と社会変革
 「反・対話」の関係性を変える――精神医療・福祉の現場を見据えて………竹端 寛 150
 アディクション臨床における社会的な力の影響………河西有奈 157
 市民団体の活動による政策転換――アルコールの社会規制を中心に………今成知美 166
 声を奪われた被害者の権利を擁護する社会の実現に向けて………平川和子 176
*対 談
 心理臨床にとって政治とは何か………信田さよ子×東畑開人 185
*総論にかえて
 「パーソナル・イズ・ポリティカル」再考――フェミニズムからPTMFまで………信田さよ子 202

著者略歴

編:信田 さよ子
信田さよ子(のぶた さよこ):原宿カウンセリングセンター顧問、日本公認心理師協会会長)
編:東畑 開人
東畑開人(とうはた かいと):白金高輪カウンセリングルーム主宰)

ISBN:9784535904705
出版社:日本評論社
判型:A5
ページ数:208ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2024年03月
発売日:2024年03月12日