離婚後の子どもをどう守るか
「子どもの利益」と「親の利益」
編著:梶村 太市
編著:長谷川 京子
編著:吉田 容子
内容紹介
親権・監護制度の目標である「子の最善の利益」をどのように考えるべきか。その核心は、子どもの安全な環境と良質な監護である。
目次
はしがき
◆第1章 「子どもの利益」をめぐる言説を検証する
ーーそれ、本当に「子どもの利益」ですか?
<特別寄稿>
共同親権の罠
ーーポスト平等主義のフェミニズム法理論から………上野千鶴子
1 共同親権でwin-win?………可児康則
2 面会交流と共同親権は虐待防止にも役立つか………岩佐嘉彦
3 「虚偽DV」論………長谷川京子
4 不分離は子どもの権利条約が謳う権利か
ーー国連・子どもの権利委員会から日本への勧告について
………鈴木隆文
5 「ハーグ条約に基づく子の返還」と
「子の監護事件」は関係する?………吉田容子
◆第2章 離婚後の「共同」推進のかげで起きていること
ーー誰のための「子どもの利益」?
(1) 当事者の体験
当事者からみた監護紛争と裁判、裁判後の実態………長谷川京子
1 娘を守りたかった………トゥモロー
2 私は面会交流調停で、
調停委員や裁判官からどのように説得されたか………A・R
3 子どもの心を守ってほしい………T
4 面会裁判が子どもを壊す………長谷川京子
(2) 子どもを支援する視点から
1 米国の共同親権制度に翻弄される子どもたちの怒り
ーー「安心」は子どもの人権の土台………森田ゆり
2 子どもと親の心理支援の現場から見た「子どもの利益」
ーー臨床心理学の立場から………平井正三
3 面会交流原則実施で何が起きているのか
ーー相談現場から見えてくること………信田さよ子
4 DV、虐待事件から考える「子どもの利益」と「親の利益」
………千田有紀
◆第3章 法は「子どもの利益」をどう実現するべきか
1 子どもの利益と憲法上の権利
ーー人間関係形成の自由の観点から………木村草太
2 国際人権法から見た子どもの最善の利益………鈴木隆文
3 親権・監護は子どもの権利を実現する親の責任
ーー質のよい監護を受ける子どもの利益を実現するために
………吉田容子・長谷川京子
4 安全は最優先の子どもの利益ーーDVの構造を踏まえて
………長谷川京子
5 児童虐待の現場から見た子の最善の利益………岩佐嘉彦
6 再婚家庭における子の最善の利益
ーー二つの視点を形骸化させる裁判所の面会交流原則的実施政策
………渡辺義弘
7 仲裁ADR法学会シンポジウム「子の最善の利益保護とADR(家事調停)
のあり方」批判と提言………梶村太市
8 欧米先進諸国における「子の最善の利益」の変遷
………小川富之
9 英国における「子の最善の利益」
ーー個人主義的理解から関係的理解へ………矢野謙次
執筆者一覧
ISBN:9784535524583
。出版社:日本評論社
。判型:A5
。ページ数:240ページ
。定価:2900円(本体)
。発行年月日:2020年03月
。発売日:2020年03月12日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNB。