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現代イギリスの司法と行政的正義

普遍性と独自性の交錯

編著:榊原 秀訓

紙版

内容紹介

 本書の対象としているものは、わが国の行政法に照らすならば、事前の行政手続や参加手続、司法審査をはじめとする行政救済制度を中核とした概念である。イギリスにおいては、実態分析を踏まえた上でこれらの手続や制度の理論的な分析がなされてきている。
 また、イギリス公法に関して、ヨーロッパ法や他のコモンウェルス諸国の法との相互作用の中で、イギリスにとどまらずヨーロッパや他のコモンウェルス諸国においても普遍的な性格を有する議論や制度改革が展開している。他方で、Brexitに典型的に現れているように、イギリス独自の価値や理念を擁護しようとする動向も存在する。これらの動向を踏まえて、司法や行政的正義について、普遍性と独自性の分析検討を行うことが本書の意図するところである。

目次

はしがき

第1部 基本理念と基本政策の動向

第1章 司法部の独立性とアカウンタビリティ  
       ………グラハム・ジー/上田健介(訳)

 第2章 行政的正義の諸問題  
       ………ロバート・トーマス/深澤龍一郎(訳)

 第3章 ミラー判決とBrexit-EU基本権憲章の今後と人権保障の課題  
       ………佐藤潤一

第2部 行政的正義の理論と制度

 第4章 司法審査の方式と審査密度 二元論対一元論と敬譲をめぐる論争
       ………榊原秀訓

 第5章 行政的正義と瑕疵概念構造の相互関係
       ………長内祐樹

 第6章 審判所改革における第一層審判所の審理手続の特色
       ………伊藤治彦

 第7章 議会オンブズマンの調査手法 略式の解決手法について
       ………田中孝和

第3部 個別の行政領域

 第8章 Brexitと法形成・実効性確保 環境法の視点から
       ………洞澤秀雄

 第9章 環境分野における法執行改革 野生生物保護を中心に
       ………庄村勇人

 第10章 都市計画における開発利益の取り扱いと損失補償について
       ………和泉田保一

 第11章 警察分野における行政的正義 苦情処理制度を中心に
       ………萩原聡央

 第12章 医療個人情報の保護と研究目的に係る利活用
       ………友岡史仁

著者略歴

編著:榊原 秀訓
南山大学法学部法律学科教授

ISBN:9784535524507
出版社:日本評論社
判型:A5
ページ数:352ページ
定価:7000円(本体)
発行年月日:2020年02月
発売日:2020年02月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNAA