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ユニコード戦記

文字符号の国際標準化バトル

著:小林 龍生

紙版

内容紹介

文字符号、とくにユニコードがどのようにしてつくられてきたのかを、当事者自身が、当時の資料や議事録などをもとに振り返りながら、世界的なバトルの様子に焦点をあてて時間軸に沿って書きつづった読み物。世界の文字符号であるユニコードと日本やアジアの文字符号との整合性をとっていく過程などを赤裸々に告白。日本人にとって苦手な英語を著者はどうやって習得していったか、その過程を詳しく述べることによって、英語を学ぼうとしている人たちに方向性を示唆。国際標準化バトルの世界で本当に必要なこととは何かを教えてくれる一冊。

目次

第1幕 序章
 第1章 参戦
  1 召集令状
  2 緒戦
  3 初戦果
  4 パックス・アメリカーナ
  5 出張の嵐
  6 ルビタグ縁起
  7 情報帝国主義
 第2章 戦友
  1 去りゆく古参兵
  2 バディ参戦
  3 最初の提案
  4 ルビ戦争勃発
  5 先任軍曹
  6 共同議長
 第3章 一九九五年ごろの文字コード
  1 コンピューターの発展と文字コード規格の変貌
  2 日本語情報処理の発展と国際符号化文字集合への蠕動
  3 そして、ぼくの前史
第2幕 国内戦線
 第4章 JIS X 0213と国際整合性
  1 重大ニュース
  2 やっかいな問題
  3 数々のすれちがい
  4 グローバル化への高い代償
 第5章 表外漢字字体表
  1 ユニコード批判の嵐
  2 白熱する議論
  3 深まる議論
  4 答申が残した課題
 第6章 JIS X 0213:2004
  1 表外漢字字体表とJIS漢字規格の整合
  2 残された課題
 第7章 カンバセーション
  1 ピックポケット
  2 ヒデキの激怒
  3 ヨーロッパ縦断一七時間の旅
  4 英会話は女子大で
  5 絶頂期のトレーニング
第3幕 国内戦線
 第8章 CICC活動
  1 ミャンマー文字 —希有な成功例—
  2 クメール問題 —外人部隊の跋扈—
  3 クメール問題 —前言撤回—
  4 CICCによる実証実験
 第9章 SC2議長
  1 SC2議長就任
  2 議長の息抜き
  3 ISO/IEC 14651 —英語とフランス語版の整合性—
  4 ミスターインビジブル
  5 SEIとマイノリティスクリプト
  5 SC2議長にできること
 第10章 ヒデキとぼくは何と戦ってきたか
  1 文字コードと自然言語との関係
  2 ユニコード批判の中心に位置するもの
  3 人名漢字のアポリア
第4幕 終章
 第11章 最後の戦い
  1 封印されたヴァリエーションセレクター
  2 ヴァリエーションセレクター、漢字適用への道
  3 汎用電子情報交換環境整備プログラムとIVS
  4 戦いの行方
あとがき
付録

ISBN:9784501549701
出版社:東京電機大学出版局
判型:4-6
ページ数:290ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2011年06月
発売日:2011年06月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UB