「東アジア海」の環境を沿岸の国々が共有する時代を見据え、その重要な源流となる黄河下流域の自然・人間・文化の関わりを歴史的に解明する。日中の研究者が新たな文明観の構築を目指したシンポジウムの成果。
●編著者のことば
歴史学はたんに過去の時代を後追いで説明する学問ではない。新しい時代の到来を敏感に感じながら、過去に埋もれた未知の遺産から新たな知識を掘り起こしていく学問である。黄河下流域の生態環境を歴史的に振り返り、東アジア海文明という新しい文明観を構築しようとする歩みはこのシンポジウムでスタートした。黄河下流域からはじまり、行き着く先は東アジア海の海域である。……生態環境史の視点から黄河下流域や東アジア海の文明をとらえていく共同作業は、着実に進んでいる。(「はじめに」より)