出版社を探す

ギリシア哲学史

著:納富 信留

紙版

内容紹介

全てはここから始まる―― 古代ギリシアで哲学はどのように始まったのか。人間と社会と自然を根源から問い、わたしたちの生き方・考え方を形作った知の原点。 近年の研究成果を踏まえギリシア哲学史の枠組みを見直し、哲学者たちの思索を新たな視座から一望する記念碑的通史!

目次

はじめに  第Ⅰ部 ギリシア哲学史序論序章1 ギリシア哲学とは何か 1 ギリシア哲学史の哲学的意義/2 ギリシア哲学史の規定/3 ギリシア哲学史の四期区分序章2 ギリシア哲学資料論 1 古代ギリシア哲学資料の概要/2 中世写本の伝承とテクスト校訂/3 パピュロス断片、金石文/4 断片集の編集第Ⅱ部 初期ギリシア哲学 A ギリシア哲学の他者  1 エジプト/2 メソポタミア/3 叙事詩の伝統B 総論 初期ギリシア哲学の枠組みC イオニアでの探究序 探究(ヒストリアー)の成立第1章 タレス ――最初の哲学者 1 人物と著作/2 知者/3 自然の探究/4 受容第2章 アナクシマンドロス ――始源の探究   1 人物と著作/2 無限という始源/3 宇宙論/4 受容第3章 アナクシメネス ――空気の変容   1 人物と著作/2 空気という始源/3 受容第4章 クセノファネス ――神を語る詩人哲学者   1 人物と著作/2 酒詩と自然探究/3 神への視点/4 人間の認識/5 受容第5章 ヘラクレイトス ――謎かけるロゴス  1 人物と著作/2 知への挑発/3 一なる万物/4 人間の生き方/5 受容D イタリアでの探究序 イタリアへの伝播第6章 ピュタゴラス ――魂の教導者 1 人物と資料/2 生の教導/3 哲学の創始/4 受容第7章 パルメニデス ――「ある」の衝撃 1 人物と著作/2 詩の序歌/3 真理の道/4 思い込みの道/5 受容第8章 エレアのゼノン ――パラドクスの創出 1 人物と著作/2 逆説/3 受容第9章 エンペドクレス ――浄化の宇宙詩 1 人物/2 著作/3 浄め/4 自然について/5 詩による真理の体験/6 受容第10章 フィロラオス ――無限と限定の調和 1 人物と著作/2 ピュタゴラス派哲学の理論化/3 受容第11章 アルキュタス ――数学者にして政治家 1 人物と著作/2 数学と哲学/3 受容E イオニアでの自然哲学序 イオニアの伝統第12章 メリッソス ――一元論の展開 1 人物と著作/2 「ある」の一元論/3 受容第13章 アナクサゴラス ――万物の秩序と知性 1 人物と著作/2 万物の混合/3 知性による宇宙生成/4 天体から生物まで/5 受容第14章 レウキッポスとデモクリトス ――原子論の成立> 1 人物と著作/2 原子論/3 認識論/4 倫理的箴言/5 受容第15章 アポロニアのディオゲネス ――自然一元論の復活 1 人物と著作/2 空気の一元論/3 受容第Ⅲ部 古典期ギリシア哲学 A 総論 古典期ギリシア哲学の枠組みB ソフィスト思潮とソクラテス序 ソフィストをめぐる知的活況第16章 プロタゴラス ――最初のソフィスト 1 人物と著作/2 徳の教育/3 人間尺度説と神不可知論/4 受容第17章 ゴルギアス ――言論の力 1 人物と著作/2 言論の技術/3 無の論証/4 受容第18章 アンティフォン ――弁論の挑発  1 人物と著作/2 弁論術の教育/3 ノモスとフュシス/4 受容第19章 ソクラテス ――対話による生の吟味 1 人物/2 資料/3 対話と不知/4 徳と知/5 受容第20章 プロディコス ――言葉の正しさ 1 人物と著作/2 言葉の探究/3 神々について/4 受容第21章 ヒッピアス ――記憶の博捜  1 人物と著作/2 オリンピック競技会と博識/3 受容C ソクラテス文学とプラトン序 ソクラテス文学とソクラテス派第22章 アンティステネス ――ソフィストとソクラテスのハイブリッド 1 人物と著作/2 弁論術と哲学/3 倫理説/4 言語論/5 受容第23章 アリスティッポス ――快楽主義の創始者 1 人物と著作/2 快楽の現実主義/3 受容第24章 プラトン ――対話篇と学園の哲学 1 人物/2 著作/3 解釈の枠組み/4 魂とイデア/5 ディアレクティケー/6 受容第25章 クセノフォン ――有為な人間の教育 1 人物と著作/2 立派な生と教育/3 受容第26章 イソクラテス ――弁論と哲学の一致  1 人物と著作/2 弁論術の教育/3 スタイルの実験/4 受容D アカデメイアとアリストテレス序 アテナイの哲学学校第27章 スペウシッポス ――イデアなき多元と分割 1 人物と著作/2 イデア論否定と数学/3 類似性の分類論/4 受容第28章 クセノクラテス ――イデアと数の一致 1 人物と著作/2 宇宙論的存在論/3 受容第29章 ヘラクレイデス ――バロックの学問と文学 1 人物と著作/2 文学と対話篇/3 哲学議論の応酬/4 受容第30章 アリストテレス ――あらゆる学問知識の探究 1 人物/2 著作/3 学問と方法/4 言葉から実在へ/5 自然から形而上学へ/6 人間の幸福/7 受容第31章 テオフラストス ――自然と人間の観察者 1 人物/2 著作/3 自然学と植物論/4 形而上学/5 性格論/6 受容第32章 シノペのディオゲネス ――犬と呼ばれた哲学者 1 人物と資料/2 逸話による哲学/3 価値の転倒/4 受容注あとがき参考文献ギリシア哲学史関連年表人名索引事項索引  

著者略歴

著:納富 信留
1965年生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。同大学院人文科学研究科哲学専攻修士課程修了。91‐96年、ケンブリッジ大学大学院古典学部に留学(Ph.D.を取得)。九州大学文学部助教授、慶應義塾大学文学部教授をへて、現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。2007-10年まで国際プラトン学会会長を務める。主な著書に、『ソフィストとは誰か?』(2007年度サントリー学芸賞受賞、ちくま学芸文庫)、『哲学の誕生』(ちくま学芸文庫)、『ソフィストと哲学者の間』(名古屋大学出版会)、『プラトン 理想国の現在』(慶應義塾大学出版会)、『プラトンとの哲学』(岩波新書)、『プラトン哲学への旅』(NHK出版新書)など。訳書に、プラトン『ソクラテスの弁明』『パイドン』(以上、光文社古典新訳文庫)がある。

ISBN:9784480847522
出版社:筑摩書房
判型:4-6
ページ数:752ページ
定価:4400円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年03月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDHA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX