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筑摩選書 0276

SF少女マンガ全史

昭和黄金期を中心に

著:長山 靖生

紙版

内容紹介

1970-80年代はSF少女マンガ黄金期だった。黄金時代を中心に、数多い名作を残してきた作家たちの歩みとその魅力を、SF評論の第一人者が語りつくす。

伝説の名作・大作は
こうして生まれた!

SF評論の第一人者による徹底解説

1960年代から少女マンガの時代が始まり、70年代半ばになると優れたSF作品が続出、SF少女マンガ黄金期が到来する。岡田史子、竹宮恵子、萩尾望都、山岸凉子、山田ミネコらが頭角を現し、SF的想像力で少女マンガを大きく変えていった。そこにはどんな創作上の冒険があったのか。70年代半ば~80年代の黄金期を中心に、ファンタジー的作品も含め、揺籃期から現在までのSF少女マンガの歴史を、SF評論の第一人者が語りつくす。読み継がれるべき、おすすめ作品ガイドとしても必読の書。

目次

はじめに――SF少女マンガ黄金期伝説

第1章 SF少女マンガ概史――分かりやすさと独自な表現のはざまで
1 マンガ表現はどうやって生まれたか
2 少女マンガの揺籃期
3 少女にSFは分からない?
4 SFブームと少女マンガ
5 女性SFは何を描くのか

第2章 挑発する女性状理知結晶体
1 山岸凉子――抑圧と理知の先にあるもの
2 倉多江美――シュールで乾いた宇宙
3 佐藤史生――科学と神秘の背反する魅力
4 水樹和佳――王道SFロマンを求めて
5 「見えない壁」と「見える壁」を超えて

第3章 思考するファンタジー
1 少女マンガSFの詩人・山田ミネコ
2 大島弓子――少女の心象はハラハラと舞い散る
3 共同制作と見せ場主義のエンタメSF・竹宮恵子
4 少女感覚とSFファンタジー

第4章 時を超える普遍を見つめて――萩尾望都の世界
1 SFは自由への目醒めをもたらす
2 萩尾SFの絵画論的・音楽論的宇宙観
3 多様な異世界生命体と性別の揺らぎ
4 危機から目を逸らさず、希望を捨てず

第5章 孤高不滅のマイナーポエットたち
1 岡田史子――その花がどこから来たのか私たちはまだ知らない
2 内田善美――圧倒的画力が創り出すファンタジー世界
3 高野文子――絶対危険神業

あとがき
主要参考文献

著者略歴

著:長山 靖生
長山靖生(ながやま・やすお):1962年生まれ。評論家。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。開業医のかたわら、世相や風俗、サブカルチャーから歴史、思想に至るまで、幅広い著述活動を展開する。著書『日本SF精神史』(河出書房新社、日本SF大賞・星雲賞・日本推理作家協会賞)、『偽史冒険世界』(筑摩書房、大衆文学研究賞)、『帝国化する日本』(ちくま新書)、『日本回帰と文化人』(筑摩選書)、『萩尾望都がいる』(光文社新書)など多数。

ISBN:9784480017949
出版社:筑摩書房
判型:4-6
ページ数:384ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2024年03月
発売日:2024年03月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:XRM
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ